ローマ法王が黒人ギャングラッパー「2パック」を愛聴していた!?
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バチカンのローマ法王庁では、関連施設で流される音楽が厳格に決められている。大半は宗教音楽かクラシックだったりするのだが、先日、その公式の音楽リストの一部が明らかになった。ここで目を引いたのがヒップホップ界の伝説、ギャングラッパーとして一世を風靡した2パックのヒット曲「チェンジス」だった。
2パックこと本名トゥパック・シャクールは、90年代にヒットを連発、俳優としても活躍した人気ラッパーだが、度重なる暴力やレイプ事件、ラッパー同士の抗争を激化させるなどして悪名を高め、96年9月、ボクシング観戦後、車に乗っていたところを銃撃され25歳で生涯を閉じた。
ヒット曲の中には喧嘩相手を挑発するような歌詞も多く、ローマ法王庁という厳格な場で流されるイメージとは程遠いものがある。
実際「チェンジス」の歌詞も、サビ部分こそ「俺たちの手で世の中を変えよう」という前向きなものではあるが、途中のラップでは「引き金を引いて黒人ひとり殺せば、その警官は英雄だ」「麻薬の袋詰めをさせられ、そのうち売人の役がまわってくる」という過激なものも含まれている。
法王庁の音楽リストには現在のところ、ヒップホップはこの1曲のみ。それどころかビートルズやマドンナなどのポップソングも見当たらない。なぜ1曲だけ場違いなラップソングが紛れたのか、多くの取材が殺到したが、当の法王庁は「選曲基準は人の良心に働きかける曲であること」とのみコメントしている。
キリスト教圏において絶大な影響力を持つバチカン認定の名曲となったことについて、2パックの母親、アフェニに取材したところ「息子は多くの人にメッセージを届けようとして努力していたので、彼の音楽が世界中の人に大きな影響を与えていることに感謝しています」と喜びを表した。
ちなみに2パックの曲の中には聖母マリアへの祈りを歌ったものもあり、カトリック側としてもそうした姿勢を考慮したとも思われる。
また「チェンジス」には「人間は誰もが神様から平等に命を授かったのに、俺たちはまだ黒人の大統領誕生を目にしていない」という歌詞があるのだが、奇しくも、その曲名を代名詞にしたのが、初の黒人大統領バラク・オバマである。
(文=藤堂香貴)
法王庁御用達。
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