米軍が2,200台の大量購入! 軍事転用される「プレステ3」は大丈夫か
#雑誌 #出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
●第23回(12月2日~12月7日発売号より)
第1位
「スクープ 米空軍が『プレステ3』を2200台購入の謎」(「週刊現代」12月19日号)
第2位
「将来の天皇陛下 悠仁さまお茶の水女子大附属幼稚園進学で茫然自失 セレブの憧れ学習院の没落」(「週刊朝日」12月18日号)
第3位
「酒井法子『水面下で進む復帰ドキュメンタリー番組』の中身」(「フライデー」12月18日号)
介護の勉強をするために創造学園大学へ通い始めた酒井法子についての報道が、いまだに途切れない。
「酒井法子・愛息と『114日ぶり』の親子デート! イタ飯ディナー独占目撃」(「女性自身」12月15日号)「酒井法子高すぎる『のりピー』の商品価値」(「週刊女性」12月15日号)「のりピーと高相表参道『極秘密会』を見た」(「週刊文春」12月10日号)などなどである。
これだけ注目されている大タレントをサンミュージック側が黙ってみているわけはない。フライデーによれば、相澤正久副社長が中心となり、酒井の芸能界復帰計画が着々と進められているのだという。
「相澤さんは現在、民放テレビ各局の編成担当の上層部の人と会い、打ち合わせを重ねているところです。創造学園大での登校風景から始まり、資格を取るために勉強に励む姿を撮ったドキュメンタリー番組です。(中略)まず年末に、先日の初登校の姿を中心とした番組が放映される予定で、この番組が布石となり、今後ののりピーの更正をテーマに据えたドキュメンタリー番組が作られる予定だと聞いています」(テレビ局関係者/本文より引用)
あくまでも世論の動向を見ながらといっているが、いくら何でも早過ぎはしないか。経営がおかしくなった大学の宣伝と、プロダクションの思惑と、テレビの視聴率稼ぎに翻弄され、自分に人気があると勘違いしたのりピーが、再び間違いを犯さないか。今大事なのは、静かに彼女を遠くから見守ってやることだと思うのだが。
第2位は、学習院が揺れているというお話。1884年に宮内省所轄の官立学校となり、1926年の「皇族就学令」で、皇族は学習院で学ぶことが原則とされた。戦後私立になったが、天皇陛下をはじめ、生まれながらの皇族は全員、学習院で教育を受けている。秋篠宮の紀子さんも、初等科から学習院である。
それが、このままいけば天皇陛下になるかもしれない秋篠宮家の長男・悠仁さんが、お茶の水女子大学附属幼稚園に入園することが決まったそうだ。私は皇室にほとんど関心がないから、このことを「週刊朝日」で知った。どちらでもいいと思うが、学習院側は大騒ぎだそうだ。
宮内庁によれば、「同世代の子どもと交わる機会を増やすためにも、教育的にも3年間の一貫教育が望ましい」と秋篠宮家が選んだ。また、紀子さんが、同大学で健康と心理学をテーマに研究していることも関係があるのではないかと推測している。また私立と違って国立なので、入園料や保育料が格段に安いのも、理由に挙げている。
たしかに、学習院の保育料と教材費は年間約102万円+寄付金だが、お茶の水は7万3,200円。入園料は学習院が30万円でお茶の水が3万1,300円。皇族が、お金の高い低いで子どもの進学先を決めるとは思えないが、かなりの違いがある。
しかし、私が推測するに、本当の理由は、昨年秋、麻生前首相が母校学習院で行われた式典の挨拶で、未曾有を「みぞうゆう」と読み間違えたことにあるのではないか。秋篠宮家はこれを聞いてあきれ果て、学習院ではないところを選択したと思うのだが、読者諸氏はいかがだろうか。
第1位は「週刊現代」の「プレステ3」をめぐる疑惑。11月下旬に、アメリカ空軍がソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション3」を購入したことが、米政府の物資調達サイトで明らかになった。「現代」では大量購入の謎をこう解説している。
「米空軍はPS3に搭載されている『Cell』というCPU(中央演算処理装置)に注目しているのです。このCPUは現在、世界最速レベルの処理能力を備えており、PS3を大量に繋げばスーパーコンピュータ(スパコン)並みの演算処理能力を発揮します」(航空誌「エアワールド」編集次長の竹内修氏)
実際、医療や気候変動の研究分野では、すでにPS3がスパコンとして使用され、難病治療薬の開発や気象予測の研究に役立っているという。またCellが搭載されたパソコンを購入するより、コストが3分の一で済む。
これを用いれば、高い性能のレーダー開発や、核兵器実験や弾道ミサイル開発にも応用が可能だという。軍事利用されているのはPS3だけではなく、イギリス海軍は、「プレイステーション・ポータブル」を2,000~3,000台購入し、新兵の教育用に使っているという。
そうなれば北朝鮮が黙って見ているわけはない。公安関係者が明かす。
「じつはこのところ、北朝鮮が朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)を通じ、在日商工人らにPS3を本国に持ってくるよう指示を出しているという」
北朝鮮がPS3によってシミュレーションを繰り返し、精度を向上させた「ノドン」や「テポドン」が日本を襲来するという事態もありうると、「現代」は警鐘を鳴らす。
日本にも軍事転用可能な民生品の規制はあるが、PS3はその中には入っていない。私は、これほど性能のいいゲーム機を作り出せる日本ゲーム機業界の技術力を評価するが、その高性能ゲーム機が輸出され、将来、日本の安全を脅かすことになるのかについても、ちょっぴり考えておいたほうがいいのかもしれない。
(文=元木昌彦)
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
【著書】
編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
誰が買おうが、ソニーはガッポガッポ
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