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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」(後編)
【第7回】小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談

ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」(後編)

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前編はこちらから

──私、グラビアアイドルとしてデビューしたんですけど、まぁ、さっぱり売れませんで、事務所もずいぶん前に辞めてまして、これでもファーストDVDはルーさんの『藪からスティックそば屋』と同じ、ポニーキャニオンから出たんですよ。ポニーキャニオンが選ぶ”5つ星ガール”的な感じで。

ルー大柴(以下、ルー) へえ~(あまり興味なさそうに)。

──そこが多分、私の人生のなかでも山だったんですね。その頂上からどんどん転げ落ちていったんですけれども。今はライター兼タレントって言いながら、芸能の仕事はガンガン減っている現状で、まずいんですよ。でもルーさんは、ここ数年ルー語で再び大ブレイクしたじゃないですか! 私もぶっちゃけ、一花くらい咲かせたいんですけど、ブレイクするにはどうしたら良いんですか!?

ルー ……ええと、どうしたらって言うのはないんですが、やっぱり僕の場合はマネジャーがチェンジしたということが一番大きかったですね。だから、その後は僕も彼が独立した事務所に入るようになったし、やっぱり信頼関係というか……。小明さんもあるでしょ、仕事をしていて周りが見えなくなっちゃう時って。

──はい、自分のことで手いっぱいになっちゃって、周りまではとても……

ルー そうでしょ! だから、そういうときに多角的に物が見られて、「今はこっちの方がいいですよ」とアドバイスをくれる人が近くにいると良いよね。僕は第一次ブレイクのときは自分でいろいろ考えてやっていて、気がついたら小島よしお君みたいな感じで海パン一丁になっていたんですけど、そこからある程度いったときに、少しずつ仕事がなくなって危うくなってきた。そして「次はどうしたらいいのか?」っていうのが自分で見えなかったのね。僕はどっちかっていうと演者で、台本を渡されて演じるタイプだから、プロデュース的な才能はなかったわけですよ。それが50代になって、今のマネジャーと知り合って、彼のプロデューサー的なところが僕に欠けていたわけだから、二人スリー脚、あ、三脚で。

──なるほど! 相性の良いマネジャーと出会えるかどうかは大きそうですね! 私の現役時代はマネジャーと罵り合いながら喧嘩していたな……。

ルー ……。

──今、24歳で、仕事も少ないし嫁に行くアテもなし、公私共に行き詰っているんですけれど、ルーさんが24歳の頃っていうのはどんな感じだったんでしょうか。

ルー えーと、わたしはね、24歳のときは、ちょうど1年くらい前だから……

──えっ。

ルー あ、僕の年表(実年齢-30)があるんですよ、ごめんなさいね。本当に24歳だった頃は役者を夢見て事務所にも入っていたんですけど、全然食べられないんで夢を追いながら六本木のクラブで水割りを作っていました。うーん、僕、遅咲きだったんですよねぇ。

──仕事がない状態のときって、続けていて不安じゃなかったですか?

ルー うん、けっこうシビアなものがありましたね。だって、つかめない、キャッチできないじゃない? たとえば弁護士になりたい方は、大学の法科出て、何年か修行しながら、ひとつずつ階段を上れるわけですよ。だけど僕らの世界っていうのは非常に水もので、何年やったからうまくいくという保証も何もないでしょう?

──ええ。それで、何かができたからって、絶対に売れるってわけでもないし……。

ルー それで、ぜんぜん知らない素人がいきなりスターになっちゃったりね。だから周りの人には、よく「辞めた方がいい」「絶対売れないよ」とか言われましたねぇ。それが売れると、「やっぱり売れると思ってた!」なんて……どっちなんだよっ! て(笑)。そういうもんですよねぇ。で、売れてからだって、また落っこちて、また上るのも大変だしで……。

──ルーさんくらい知名度のある方でも、まだそんな苦労がついて回るんですよね……。私はグラビアを辞めて長いのに、まだ何か心配みたいで、定期的に自分がAVの年間契約をいつの間にか結んでいる悪夢を見たりするんですけど、ルーさんもそういうゴールが見えないところに向かって走る恐怖感や焦燥感ってありますか? できればもっと余裕をもって仕事がしたいんですよ。

ルー うーん、僕は無宗教ですけど、ゴッドっていうのがいれば「こいつ頑張ってるから」って導いてくれると思うし、捨てる神あれば拾う神ありと思うので、そういうのはあんまり。ただ、自分の考え方がちょっとズレていたり、投げやりになっていたり、荒れていたりとか、そういうところを修正してくれる第3者、マネジャーや事務所の社長さんが横にいると良いよね。仕事が見えてくるし。そういう人に出会えるかどうかは、やっぱり運命かなぁ……。

──運命の出会い、良いなぁ……。事務所はうさんくさいところからしか誘われないし、あんまり思い当たる節は……。あ! とりあえず同じ誕生日のよしみで、そのアドバイザー的ポジションをルーさんにお願いして良いですか? 私の今後の芸能生活、トゥギャザーしようぜ!

ルー ちょっと……それはバイマイセルフで考えてよ!
(取材・構成=小明)

ルー大柴(るー・おおしば)
1954年、東京都生まれ。俳優、タレント。高校卒業後、欧州放浪などを経て俳優を志す。89年、劇団「カンコンキンシアター」旗揚げに参加。アクティブなキャラクターとクドすぎる「ルー語」で人気を博す一方、舞台俳優としても確かな評価を得ている。

小明(あかり)
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著アイドル墜落日記(洋泉社)の販売数は、これからさらに伸びるはず(妄信)。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/

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最終更新:2018/12/19 15:06
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