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「グワシ!」天才・楳図かずおがNHKで「4コママンガ入門」番組のなぜ

umezu1201.jpg『楳図かずおの今からでも描ける!
4コマ漫画入門 』NHK出版

 ホラーマンガ・ギャグマンガの巨匠・楳図かずおが、松本明子、シャ乱Qのまことを「生徒」として迎え、マンガの描き方を教えている番組をご存じだろうか。

 11月5日にスタートした『NHK趣味悠々 楳図かずおの今からでも描ける! 4コママンガ入門』(NHK)だ。

 それにしても、楳図かずおというと、まず思い浮かべるのは、鮮烈な恐怖の表現の数々や、強烈なギャグ。「天才」ならではの独特な感性は、凡人には到底マネできそうにないものばかりで、「マンガ入門」というと、「そこをグワシッといって」なんて具合に、感覚的な指導法を想像してしまうのだが……。

 意外にも(?)指導内容は非常に理論的かつ実践的! しかも、「楳図かずお=4コママンガ」というイメージは一般的にはあまりないが、なぜ4コマで番組を? 楳図かずお先生ご本人を直撃した。

「僕は初期の頃、マンガの投稿をずっとしていたんです。投稿では、まだ長編を描く力量もないし、長編は描いても載せてもらえる率が低いからということで、手っ取り早く取り扱ってもらう『発表の場』として、4コママンガを中心に絞っていたんですよ」

 長編も4コマも、話の運びや絵、構図などの「骨」は同じだと、楳図先生。4コマは省略する技術、デフォルメする技術などが必要になる一方、素人が始めるには「いちばん手軽で良い題材」なのだそうだ。

 番組の構成は、キャラづくりから始まって、表情の作り方、動き方など、かなり理論的だけど……。

「番組としてやるには、理詰めの部分を出さないといけない。番組はテキストに沿っていますが、もともとNHKのテキストを作る際、片っぱしから思いついたことを喋って、それを編集の人にまとめてもらったんですよ。ただ、自分自身は小4の頃からマンガを描きまくってるから、もっと基本的なところに遡らなければいけない。『マンガって何だろう』というところから、人間として、ひとつの感情表現として絵を描くことができるレベルで考えています」

 自分が描くこと・教えることの違いとは?

「自分が描くことは、目に見えてないものをゼロのところから手探りでつくるので、重大な責任があり、自分と自分の戦いです。でも、教えるのは、相手がいて、相手の力量によるところもあって、少しでも上手になれば別の喜びがありますよね。それに、少なくとも相手のほうが自分よりヘタだしね(笑)」

 実は楳図先生の父方の家系は、みんな「教師」(!)。案外、「先生」は天職だったりして?

「でも、番組では教えている側も、教えられている側も『パフォーマンス』。騙し合いのイベントみたいなもんですよ(笑)」

 生徒役の2人がみるみる上達していくのを見ると、自分も描けそうな気がしてくるけれど……。

「先週、最終回を撮り終えたんですが、2人とも、ラストではかなりうまくなってます。4コマを描いて、連載になるようなタイトルもつけて、あとはどこかからオファーを待つばかりですよ」

 最後に、この番組を通して、楳図先生が視聴者に伝えたいことを聞いた。

「4コママンガを描いてもらえると嬉しいですが、実際にマンガを描かなくても、『4コママンガの精神』で日常を見てほしいということ。起承転結をつけて見ると、平凡な日常にも発見があるし、単調にならない。オチがつけば、自分もまわりも楽しくなります」

 どんなものも楽しんじゃう、楽しませちゃう、楳図精神をマンガで学んでみる?
「サイゾー裏チャンネル」より)

楳図かずおの今からでも描ける!4コマ漫画入門

民放では絶対NGなキャスティング

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最終更新:2009/12/01 08:00
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