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"素人の音楽"が日本の音楽産業を変える!?

メジャーレーベルすら足蹴にする 「同人音楽」ってなんなんだ?

自宅のパソコンで、アイドルソングやアニソンのアレンジ曲、あるいはオリジナル曲をひとりで制作、ニコ動に上げたところ、話題になってメジャーレコード会社が食指を動かす!?  ヲタクコミュニティを背景に生まれた、そんな「同人音楽」の魅力を探る!!

 CDの売り上げは低迷を続け、もはや”斜陽産業”だといわれて久しい音楽業界。今、そんな音楽業界で「同人音楽」なるジャンルが注目を浴びている。ヲタク系の同人たちが集い、東京・有明の東京ビッグサイトでブースを並べて自分たちの同人誌を出品する世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット」、通称「コミケ」はご存じだろう。近年では毎回50万人以上を動員するこのコミケの一角で、同人音楽もその販売スペースを年々拡大し続けているのだ。

 同人音楽とは、同人誌と同じく、基本的にその制作スタイルは、アニメ、ゲームなどの音楽に勝手にアレンジを施した二次創作が大半。もちろん同人誌同様オリジナル作品も少なくないが、それらもヲタクカルチャーからのなんらかの影響が垣間見える作品が多い。

 同人音楽に詳しい音楽評論家の冨田明宏氏は、その始まりをこう説明する。

「ことの起こりは、1994〜95年。この頃はまだ、個人が自分で音楽を作るためのシステムなどほとんど存在しておらず、ゲーム音楽などを手がけるプロのミュージシャンが遊びで始めたものでした。自分で作ったゲーム音源のアレンジ作品などを、即売会に出品していたんですね。しかし、90年代後半にインターネットが普及し始めると、FM音源(パソコン上で再生する電子音源の一種)などを使って、素人がゲーム音楽やアニメソングなどを自分流にアレンジした二次創作曲が続々とネット上にアップされるようになりました。00年にJASRACがこれを問題視していることを表明しますが、同時期にDTM(「デスクトップミュージック」の略。パソコンと電子楽器を接続し演奏・制作される音楽)用のパソコンソフトが低価格化して一般層にまで浸透、CD-Rも安価に入手可能になると、二次創作曲の発表の場はコミケなどの即売会へと移行していきます」

 その結果、個人のみならず、即売会・ネットなどで知り合った同人コミュニティ(同人サークル)の手になる同人音楽も増加し、同人イラスト作家によるジャケットやブックレットが付されたもの、音楽的にプロ顔負けのクオリティを持つものも登場、「とらのあな」「メロンブックス」などのヲタク系ショップでの委託販売も広まることにより、00年代前半には、制作から販売に至るシステムとしては、現在とほとんど変わらない構造が完成するに至る。”商品”としての体を成した”同人音楽市場”の成立である。

「さらに06年以降はYouTube、ニコニコ動画などの動画共有サイトが開設され、それらのサイトで同人音楽を楽しむ文化も登場し、再びネット上でのシーンが活発化。結果、『音楽をパソコンで作るアマチュア層』が飛躍的に拡大し、同人音楽はさらなる進化を遂げました」(冨田氏)

 では、こうした歴史の中で、実際にどんな音楽コンテンツが制作され、盛り上がりを見せていったのだろうか?
(続きは「プレミアサイゾー」で/文=岡島紳士[http://oshinshi.web.fc2.com/])

CD 東方乙女囃子

同人音楽の最大ジャンル

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最終更新:2009/11/18 13:05
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