「こんなに便利な詐欺ツールはない!?」4,000以上存在する”お見合いサイト”の現実
#ネット #詐欺 #婚活 #出会い系サイト
女の周囲で6人の男性が不審死し、世間を騒がせている東京・池袋の連続結婚詐欺事件。
疑惑の渦中にいる34歳の女は、インターネット上のお見合いサイトで被害者を物色し、サイト上で20人以上の男性とやりとりしていたと言われている。ネット上では女の写真が流出し、その容姿から「なぜこの女が男を騙せたのか?」と様々な憶測を呼んでいる。週刊誌などでは”魔性の女””恐るべき詐欺テクニック”と、詐欺の手口の巧妙さを報じているが……。
「サイト上で20人以上とやりとりするって、珍しくないですよ。ルックスが良くなくても顔写真を公開すればメールはどんどん来るし、その中で良さそうな人がいれば、同時進行なんか当たり前」(お見合いサイト利用者・30代女性)
今年に入ってから耳にすることが多くなってきたこの「お見合いサイト」。その実態はどうなっているのだろうか?
「お見合いサイト」「結婚相談サイト」などの運営会社は現在4,000以上。その中で人気なのが、「Yahoo!パートナー」などの大手検索サイトや、結婚紹介所が運営するお見合いサイトだ。覗いてみるとすべて会員制となっており、入会者はハンドルネームや身長、体重、学歴、趣味、年収に至るまで細かくプロフィールを登録する仕組みになっている。顔写真の掲載は任意だが、公開している会員は男女とも少なくない。登録後は地域や年齢などから異性を検索し、気に入った相手にメールを送ることができる。
プロフィールに「年収」欄があるなど、「お見合い」をうたっているだけあって確かに項目は細かい。だが、ここまでは「出会い系サイトと何が違うの?」という疑問を抱くのが当然だろう。その違いは入会システムにある。お見合いサイトでは、入会には年齢確認のための運転免許証のコピー提出が必須であり、銀行口座やキャッシュカード番号の提示も義務づけられている。これらは、出会い系サイト規制法で定められた義務なのだという。
「お見合いサイト自体はネット初期から存在してましたが、急成長したのは昨年12月からなんです。ちょうどこの時期、児童売春問題を受けて出会い系サイト規制法が改定されて、身分証などの届け出が必要になったんです。これによって既存の出会い系サイトは閉鎖するか、非合法で運営せざるを得なくなりました。その代わりに台頭してきたのが、大手のお見合いサイトなんです。身分証の届け出がされてるという安心感と、タイミングよく起こった婚活ブームが相まって、会員数が一気に増えたんですよ」(婚活事情に詳しいライター)
昨年末からのサイトの流行と、今年に入ってから半年あまりという短いスパンに被害が集中している連続詐欺事件。被害者の一人、駐車場で変死した40代男性が女と知り合ったのも、人気の大手プロバイダー系のサイトだった。身分証提示システムが保証する安心感――。ここに、落とし穴があった。
「いくら身分証提示システムがあるといっても、一皮むけば『出会い系サイト』であることは変わりません。でも、安全性を過信してしまう人がいることも確かなんです。多くの人があまりにも無防備に個人情報を晒してしまっている」(同)
逆にいえば、詐欺を働く側にとってこれほど使いやすいツールもこれまでなかったといえる。相手の容姿から異性の好み、職業や年収に至るまで個人情報が手に取るよう把握でき、パソコンの前でターゲットを絞ることまでできてしまうのだから。あとは誰に邪魔されることなく、そして誰に知られることなく実行に移せばいいだけである。
「晩婚化」と「恋愛格差」が叫ばれる現在、出会いの少ない男女の受け皿として機能してもおかしくなかった婚活ブーム&お見合いサイト。だが現在、事件を受け男女とも脱会者が続出している模様である。ふいに登場した一人の鬼っ子の存在によって、このままブームは幕を下ろしてしまうのだろうか?
(文=鈴木ユーリ)
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