「THE OUTSIDER 第8戦」魂荒ぶる戦慄の舞台裏レポート!(後編)
#格闘技 #前田日明 #THE OUTSIDER
“第4回大会MVP リアル神代ユウ”
佐野哲也(27歳)
さて、ここからは、65~70kg級トーナメントの出場選手にインタビューだ。まずは1回戦を制し、控え室へ戻ってきた佐野に話を聞く。
──強豪・浦野貴之選手と2ラウンドフルに戦って、判定勝利。このあと行われる2回戦に向け、体力を温存したかったところでしょうが……。
「疲れましたねー。ホントに疲れた」
──一方、次に当たる学金狗選手は、1回戦を不戦勝で突破しました。
「(欠場した)林さんをちょっと恨みます。面識はないですけど(笑)」
そんなハンデをものともせず、2回戦の佐野は冷静かつ軽快な動きを披露。最後は強烈なハイキックで学金狗を失神KOに追い込んだ(この勝利で佐野は「サイゾー賞」を含む5つの賞を受賞)。
閉会式を終えた佐野に話を聞く。
──いやはや、見事な蹴りでした。感触は十分でしたか?
「入ったなぁ、と。でも学さん、しばらく立ってたんですよね。だからすげえなぁと思って、追撃のパンチを打ちにいったんですけど、そこでフラッと倒れてくれたので安心しました」
──あと2つ勝てば優勝。
「決勝の相手が吉永(啓之輔)さんだったら面白いですね。僕が決勝の終了1秒前に負けたら最高に盛り上がると思うんですよ。まあもちろん、勝ったほうがいいに決まってますけど」
──閉会式のリング上で、吉永選手とどんな会話を?
「決勝でやろうぜ、って」
──その前に野村剛史選手との準決勝が待っています。
「ですね。野村さんはなんでもできる選手というイメージ。これからDVDをじっくり見て研究しないと」
──どちらも最高に面白そうなカードですね。
「見るほうはいいですねー。やるほうは必死ですよ」
──今日の賞金は何に使います?
「自転車を買うかも」
これから師走に向け、仕事が忙しくなるという佐野。自転車をフル活用して、練習時間を確保したいところだ。
“天才不良品”
三枝美洋(29歳)
トーナメントの優勝候補に挙げられていたが、2回戦で吉永に敗北。閉会式を終え、足をひきずりながら退場してきた三枝に話を聞く。
──足、どうしましたか?
「右足を痛めた。カットでね。初めの蹴り、カットされたのがモロに入っちゃって」
──残念な結果に終わりました。
「悔しいね。来るの分かってたことでやられたんで、余計に悔しいですね」
──負けたのは久々?
「初めてですね。だからメチャクチャ悔しいですね。しかも、格的に負けるような相手じゃないってのは、最初の雰囲気で分かったんですけど……。最後ちょっと気ぃ抜いちゃって、三角でやられました」
──最初の雰囲気で分かった、とは?
「タックルしたときに分かりましたね。あ、こんなに簡単にテイクダウン取れるんだと思って。そこから三角来るのは分かってたんで、その足を崩して跨ぐというスタイルを簡単にできた。で、そこから袈裟に入ったんだけど、ストップかかっちゃって、なぜか吉永君がバックでリスタートになったでしょ?」
──あれは「うん?」という感じでしたね。
「ま、しょうがない。あれはしょうがないと思った。またテイクダウン取ればいいやと思って、実際取って、そこから三角来るの分かってて潰してたんだけど、油断した一瞬の隙に足が入っちゃった。スタミナが切れ始めたときに気が緩んじゃって、吉永君が狙ってた通りの形になっちゃった。まあ、負けは負けと認めて、練習して出直すしかないですね」
サバサバした口調で試合を振り返った三枝だが、「今日は悔しくて寝れないと思う」と言い残し、会場を後にした。
“横浜義道会初代総長 濱の狂犬”
黒石高大(23歳)
vs
“川口連合第十代総長”
武井勇輝(22歳)
武井はかつて、こう言っていた。「仲いい奴は殴れない」と。しかし今回、トーナメントの2回戦で、親友の黒石と激突することに。その胸中やいかに? 試合前に話を聞いた。
──友人である黒石選手と拳を交える心境は?
「ああ、もうそれはしょうがないですよ。あいつには悪いけど、俺が勝ちますよ」
──やりづらさは感じない?
「今は逆にいいんじゃないか、と思ってます」
──今日は黒石選手と喋りました?
「さっきすれ違ったときに、『絶対(1回戦に)勝ってね』と一言だけ。あとはもう、以心伝心で」
一方の黒石はどんな心境なのか? 1回戦突破直後に話を聞いた。
──おめでとうございます。
「三角締め決めたの初めてです! 練習でも決めたことないのに」
──次は武井選手との対戦。友達同士で殴り合った経験は?
「中学以来、ないですね。付き合いが長くなると分かり合っちゃうから、喧嘩にならないし」
──やりづらさは感じます?
「俺は逆に嬉しいかも。ちなみにトーナメント表が発表されたその日から、彼とはずっと喋ってませんよ。だってこれ、遊びじゃないから。メインはガッツリ盛り上げますよ。KOするか、KOされるか!」
結果は黒石が、腕ひしぎ十字固めで敗北。試合直後の黒石は「いやー、俺ダメだ。あんな塩試合やったから、お払い箱でしょ!」とヤケクソ気味に騒いでいたが、仲間やファンに励まされると「出直しますよ。俺は絶対!」とすぐに気持ちを切り替えていた。
一方の武井は、勝ったのに浮かない表情。「ヤバい。右の拳が折れた。超腫れてる。パキパキいってる」と言って脂汗を垂らしながらドクターの元へ。2カ月後までに治るのかどうか心配だが、ともあれ4強が出揃った。
次回大会は、12月13日(日)に東京・ディファ有明で開催。そこでトーナメントの準決勝、決勝が行われ、いよいよ”アウトサイダー初代王者”が決定する!
(取材・文=岡林敬太)
かかってこいやー!!
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