「THE OUTSIDER 第8戦」魂荒ぶる戦慄の舞台裏レポート!(前編)
#格闘技 #前田日明 #THE OUTSIDER
前田日明が主催する不良系格闘技イベント『THE OUTSIDER(ジ・アウトサイダー)第8戦』が11日、東京のディファ有明で行われた。優勝賞金100万円と”喧嘩最強”の称号を賭けて争う、65~70kg級トーナメントが今大会からいよいよ開幕。野村剛史、佐野哲也、吉永啓之輔、武井勇輝が1・2回戦を勝ち上がり、ベスト4進出を決めた。また、通常通りシングルマッチも行われ、全国から集まったアウトローたちがリングの内外で熱い火花を散らした。
誰かが勝てば、誰かが負ける。悲喜こもごもな舞台裏レポートをお届けしよう。
“リアルマッドタイガー 解き放たれた虎”
大山勇樹(32歳)
少年院2回、刑務所2回。施設生活12年を経て、シャバに出てきたこの男。スキンヘッドに、筋骨隆々の体。まるで金剛力士像のような佇まいである。試合前の控え室で恐る恐るインタビューを申し込むと、穏やかな口調で快諾してくれた。
──今日の対戦相手は渋谷莉孔選手。ブログで煽ってきたり、欠場すると嘘を言ったり、何かと挑発的な選手ですが、彼に対してはどのような印象を?
「まあ、自分とは生き方が全然違う、としか言いようがないですね」
──今日、会場で渋谷選手と会いましたか?
「ええ。会話もちょこっとだけしましたよ。向こうから『試合のときはエクステを外す』と言ってきました」
──大山さんのブログには「公開処刑する」と書いてありましたが、今もその気持ちに変わりはない?
「もちろん。潰す気でやります。2カ月かけてやってきたことを全部ぶつけます」
──この2カ月間、どのぐらいのペースで練習を?
「週に2~3回、1日2時間程度ですね。自分の場合、それ以上根つめてやると体を痛めちゃうんで」
──今日はどのような戦い方をイメージしてますか?
「自分の場合、立って打ち合うとパンチがどうしても大振りになっちゃうんで、タックルで倒してから殴る……という形を取れれば、パンチを生かせるんじゃないかと」
──パンチ力はどのぐらいありますか?
「200kgぐらいですね」
──すごい! とはいえ、大山選手の格闘技歴はわずかに2カ月。下馬評では「渋谷莉孔」の声が多いですが。
「そのほうが逆に楽しいですね。みんなが『渋谷君が勝つ』と言ってくれればくれるほど、それをひっくり返すのが面白いじゃないですか」
しかし、下馬評は覆らず、大山は判定で敗れた。試合後に再び話を聞く。
──戦い終えた感想は?
「相手の組みつきが早くて、タックルで倒せなかったのが悔しい。序盤でスタミナを使い果たして2ラウンドにヘロヘロになるのがイヤだったので、ずっと飛び込むタイミングを見ていたんですけど……。ちょっと見すぎてしまったかな」
──試合後、リング上でどのような会話を?
「自分は『挑戦を受けてくれてありがとう』と。向こうは『怖かったです』と言ってました」
遺恨は消えても、悔しさは消えない。「勝てると思って挑戦したんですけどねぇ……。残念ながらダメでした。また来週から練習を始めますよ。強くなって出直します」と再起を誓った。
“国士舘のリアルジャイアン”
剛田武(21歳)
アウトサイダーで無傷の3連勝中。その強さのみならず、飄々とした言動でも人気のジャイアンこと剛田だが、今回の対戦相手は同じく3連勝中の中村トッシー。アウトサイダーファン、大注目の一戦である。
決戦前にジャイアンの様子を覗きに行くと、黙々とシャドーボクシングをやっていた。タイミングを見計らって声をかける。
──お話をお聞きしてよろしいですか?
「(怪訝そうな顔で)話って、なんの話ですか?」
──試合に関する取材です。
「あ、いいですよ」
──今日はジャイアンさんの指名で実現した一戦ですが、トッシー選手を指名した理由は?
「強い強い言われてるし体重も近いから、ずっとやりたいなーと思ってました。やっと実現した、という感じです」
──トッシー選手の印象は?
「ホントに33歳なのかなー、っていう顔してる。ホントに33歳なんですかね?」
──ホントでしょう。ところでリングスのホームページを見ると、ジャイアンさんは、トッシー選手とまったく同じような格好をしてますね。服装のみならず、体の角度、顔の表情までほぼ一致しているのですが。
「あれは僕の日常風景。日常の狭間にちょっと着物を着て写真を撮ったら、たまたまかぶっちゃっただけです」
──コメントも「剛田……」に対し「中村……」と、アンサーソングのようになってましたが。
「あれも日常の狭間に発した言葉がたまたま掲載されただけです」
──前回大会から約2カ月経ちますが、その間、格闘スキルはアップしましたか?
「日に日に進歩しています。日進月歩です」
ジャイアンの勝利を予想する声も多かったが、いざ試合が始まると一方的に殴られる展開になり、レフリーストップで無念の敗退。試合後の彼は茫然自失で目もうつろ。とても声をかけられる雰囲気ではなかった。
やられっぱなしじゃ、のび太である。いじめっ子・ジャイアンの復活を待とう!
(後編につづく/取材・文=岡林敬太)
すんげぇタイトル……
【関連記事】 不良最強決定格闘技大会『THE OUTSIDER第7戦』鮮血レポ!(前編)
【関連記事】 「世界一安全なリングで好きなだけ暴れろ」THE OUTSIDER 第7戦展望
【関連記事】 『THE OUTSIDER第7戦』ラウンドエンジェルを恍惚激写!
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事