文化系でインドア派なのに度胸あり!? 女優・穂のかを鍛えた初主演映画の舞台裏
#石橋貴明
「私、文化系に見えます? 初めて言われましたよ~。でも、当たってるかも。絵を描いたり、映画見たりするの好きだし。学校帰りには必ずTSUTAYAに入り浸ってましたから」
今年6月公開の映画『The Harimaya Bridge はりまや橋』でデビューし、あのとんねるず・石橋貴明の娘だと報じられて世間を驚かせた女優・穂のか。2作目にして初主演となる『アンを探して』で彼女が演じるのは、イラストを描くことでやっと自らの心の内を表現できる、内気なおばあちゃんっ子だ。
「私も絵を描くの好きですから。でも、杏里ちゃん(役名)ほど、おしとやかじゃないですけどね。あはは」とはにかむ笑顔は、スクリーンの中そのままの自然体だ。
同作は、亡くなった祖母が「アン」「ギルバート」と呼び合っていた初恋相手のカナダ兵を探すために、少女が『赤毛のアン』の舞台プリンス・エドワード島を訪ねることから始まる、静かで優しい物語。主人公の少女・杏里が、島の人々との交流の中で成長していくさまが描かれるが、成長したのは杏里だけではなかったよう。
「宮平貴子監督に『異国を一人旅する映画だから、穂のかも一人でロケ地まで行けば役作りの参考になるんじゃない?』ってのせられて(笑)。もうタイヘンでした! 乗り継ぎ便のトラブルで、ニューヨークに1日半足止めされて! 1カ月分の大荷物を背負って空港で大泣きしちゃったんだけど、『自分でなんとかするしかないじゃん』って気づいて、あれこれ直談判したりして、どうにか前日の夕方に現地入りできたんです。それまで超温室育ちだったんですけど、強くなりましたよ〜!」
その経験は監督の思惑通り、役作りにも生かされたようで「撮影中も、杏里ちゃんはこんな言い方しないはず……とか、ちょっとでも疑問を感じたら、監督と徹底的に話し合いました。自分の中でモヤモヤしてたら、先に進めないですもんね」
「よく『度胸がある』って言われるんですが、そのへんは父の影響かも?」と、二世プレッシャーについてもサラリ。文化系なのに度胸あり、でも温室育ちで帰国子女の20歳、今後の活躍が期待されます!
(文=オカヂマカオリ/「サイゾー」11月号より)
●ほのか
1989年、東京都生まれ。とんねるず・石橋貴明の長女。日米韓合作映画『The Harimaya Bridge はりやま橋』で女優デビュー。実家には2500冊ものマンガを蔵書するほどのマンガ好きでもあり、現在は中村明日美子先生にハマリ中。
●映画『アンを探して』
08年夏、プリンス・エドワード島に、亡き祖母の初恋相手であるカナダ人兵士を見つけるため杏里はやってきた。美しい島で彼女を待っていたのは、さまざまな優しい人たちとの出会いだった──。
監督/宮平貴子 出演/穂のか、ロザンナ、ダニエル・ピロン、紺野まひるほか 公開/10月31日より、シネカノン有楽町1丁目ほか全国順次 〈http://www.grandjete.jp/lookingforanne/〉
父はハリウッド俳優でもあります。
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