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腐女子も鉄ヲタも……マニア全方位型アニメ『ミラクル☆トレイン』がスゴい

miracletrain.jpg『ミラクル☆トレイン 大江戸線へようこそ』
オフィシャルページより

 スゴいアニメが始まった、のかもしれない。

 10月4日、テレビ東京ほかでスタートした『ミラクル☆トレイン 大江戸線へようこそ』という深夜のアニメ番組が、何かとスゴすぎる。

 まずその設定がスゴい。メインの登場人物は、「擬人化した都営大江戸線の”駅”」。なんのこっちゃと思うが、本当にそうなのだ。しかも、ホームや改札機をアレンジしたようなゆるキャラ方面の擬人化ではなく、腐女子向けイケメンキャラ。

 登場する「駅」は、六本木史(いちおう主人公)、都庁前(生真面目クールメガネ)、新宿凛太郎(ちょいホスト)、汐留行(生まれ/開業日が遅いため、弟キャラ)、月島十六夜(もんじゃ)、両国逸巳(江戸っ子)の6人/駅。起点駅の都庁前がリーダー担当で、それぞれの駅のイメージに沿ったキャラクターになっているよう。

 公式設定によると、

<美麗な男子ばかりが乗っている電車が存在する。その名は『ミラクル☆トレイン』>

 という都市伝説があり、悩みを持つ女性がその列車に乗ると、「美麗な男子」である「駅」が悩みを解決してくれるということだ。キャッチコピーは<貴女も『駅』に恋しませんか!?>。もう、何がなんだかだ。

 この「トンデモアニメ」について、あるアニメ雑誌の編集者は言う。

「ある意味でスゴいと、話題になってます。鉄道をネタにした同人誌とかは、実際に増えているんですよ。これはその流れにのった形ではあると思うのですが、車両や路線をイメージしたのではなく、『駅』というのが斜め上をいきましたね」

 この「駅」イケメン、第1話で解決してくれた悩みはなんと、「犬探し」。六本木の駅構内で迷子になった愛犬をみんなで探すのである。犬を探すのだ、駅が。

「ミラクル☆トレイン」に乗って、大江戸線の路線をあちこち移動したりして一匹の犬を探すのだが、「駅」である特性を活かして気を込めたら自分の駅の様子が頭の中に浮かぶ、とかいうことは全くなく、大江戸線(ミラ☆トレ)でみんなで移動。「駅が電車に乗って移動」というシュールすぎる展開、行き先を推察するときに飛び出た「俺方面」というキテレツなフレーズ、エスカレーターを使わず階段を歩きながら、「エスカレーターはお客様のものだから」という遠慮とか、とにかく「ネタ」には事欠かない。続く第2話では、車内で緑茶を入れたり、もんじゃ焼きまで焼き始める自由っぷりだ。

 その一方で、大江戸線の実名を使っているだけあって、車両や駅構内の様子、ドア開閉の効果音などは、かなり忠実に再現されている。しかも、ストーリー中に、「大江戸線の六本木駅は地下鉄で日本一深い」「全線開通したのは平成12年12月12日」「月島には70軒ものもんじゃ焼き屋さんがある」といった、大江戸線トリビアと沿線情報がテロップ付きで挿入される。それにしても、「汐留には日本茶インストラクター協会がある」とか、細かすぎる情報だが。

 完全に東京都のタイアップアニメとしか思えないのだが、クレジット的には東京都や都営地下鉄の名前は見当たらない。東京都交通局にたずねてみたところ、都営地下鉄は制作には実際に絡んでいないのだそうだ。

「スタッフの方のロケハンに立ち合うといったことはあるのですが、これはその他のテレビ番組の取材をお受けするときと同じ扱いです。番組のキャラクターを使ったラッピング電車も走っていますが、これも通常の広告としてお受けしているだけなんです」

 それでも番組の反響は大きいようで、

 「『びっくりしました』といった声などが届いています」
 
 そして、関西や東海地方でもオンエアされるため、
 
「東京以外の地域で注目度があがるという点は、期待しています」

 とのこと。この番組によって、アニメファンによる「ご当地めぐり」など、大江戸線人気が高まったりするのだろうか。

「イケメンキャラを揃えて声優陣も豪華で、狙いはハッキリしているのですが、いまのところ、あまりにシュールすぎる展開と設定のほうが先行してしまっているような気がして、本来ターゲットにしたい女性ファンの層が、実際どのぐらい本気で見てくれているかによるでしょうね。キャラの立ち方は、ものすごいですから、これからに期待ということですね」(前出・編集者)

 ヒットの暁には、新宿線、浅草線と、シリーズ化するか、「築地市場」(威勢がいいぜ)や「代々木」(予備校通い)、「練馬春日町」(トゥース)といった新駅が加入したりして。
(文=太田サトル/サイゾー公式携帯サイト「サイゾー裏チャンネル」より)

montage

どうなの……?

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最終更新:2009/10/14 18:29
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