「これでは新人が育たない!」ベスト盤しか売れなくなった音楽業界の悲鳴
#音楽業界
今年9月度のオリコンアルバムチャートの内容が、音楽業界で波紋を呼んでいる。1位の嵐『All the BEST!1999‐2009』を筆頭に、ベスト10の中にベスト盤が6枚もランクイン。ベスト5に限れば4枚がベスト盤で、オリジナルアルバムは4位のSuperflyのみ、という異例のチャート構成だった。
音楽業界では古くから、各種レジャーが盛んになる夏季シーズンは”夏枯れ期”とも呼ばれ、CDのセールスが他シーズンよりも落ち込むとされてきた。そのため、この時期にはオリジナルアルバムを避け、制作費が少なくて済むベスト盤やカバーアルバムがリリースされる傾向があった。しかし今回、ランキングの上位にこれだけベスト盤が並んだことに対し、あるレコード会社関係者は「これはもはや夏枯れ云々ではない」と嘆息する。
「CDセールスの落ち込みが、ついに来るところまで来たという印象です。Superflyが異例のヒットを飛ばしたのは好材料ですが、他の落ち込みがひどい。オリジナルアルバムの売り上げだけでは利益を確保できないため、各社ともベスト盤のリリースに走っています」(同レコード会社関係者)
オリジナルアルバムのリリースに当たっては、スタジオ代などの制作費に加え、多額の広告宣伝費が必要となる。その内訳は、ラジオやテレビのスポットCM、各種雑誌媒体への広告出稿が中心だが、こちらの予算も大幅に減らされる傾向があるという。
「レコード会社は、少なくなったプロモーション予算をテレビCMに集中させています。そのため、音楽誌のタイアップ広告は軒並み激減、各出版社の経営を直撃しています。広告が出せない場合は、記事掲載の見返りにレコード会社から出版社に”取材協力費”が支払われる慣行もありましたが、それも無くなる傾向です」(音楽雑誌編集者)
記事と広告をバーター取引する音楽誌の是非はさておき、従来のレコード会社が、多額の広告宣伝費を”先行投資”することで多くの歌手やバンドを育成してきたのも事実。利益確保優先のベスト盤が多発される中、新人育成の新たな仕組作りも求められているといえそうだ。
(文=石山博美)
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