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週刊誌のカリスマ・元木昌彦が特別寄稿

元祖スキャンダル編集長が選ぶ 上半期・この週刊誌記事がスゴい(後編)

fryday0916.jpgあらゆる芸能記事の中でも、異彩を
放った「フライデー」の強硬”小向
ストリップ”スクープ。

前編はこちらから

 4位は『怒りのスクープ!「郵政民営化」でオリックス丸儲け!?』(「週刊朝日」1月30日号)。昨年12月に日本郵政が、全国のかんぽの宿計70カ所を、オリックスの子会社・オリックス不動産へ一括売却すると発表した。これに待ったをかけたのが鳩山邦夫総務相(当時)だったが、この時点では鳩山氏への批判のほうが大きかった。そんな中、朝日は日本郵政の売却に関するプレスリリースの中に「かんぽの宿等の各施設に附帯する住宅等の施設及び首都圏社宅9施設を含む」という記述を見つける。このおいしい物件の資産価値は総額47億円と推定され、売却総額の4割にもなる。その上、入札の際の詳細を日本郵政側は明らかにしないのだ。西川善文日本郵政社長×鳩山戦争勃発のきっかけになった記事である。

 さてベスト3の一番手は「フラッシュ」(7月28日号)の『夏目三久アナ 流出した衝撃「××」写真』。どこから見ても日テレの夏目アナにしか見えない美女が、ニッコリ微笑んで「コンドームの箱」を持っている。有名税にしてはちと可哀想な気はするが、こんないい女と「親密」できる彼氏に嫉妬している自分が腹立たしく、情けない。

 第2位は、『スクープ公開! 小向美奈子「問題ステージ」』(「フライデー」6月26日号)。小向がストリップの老舗・東京の「浅草ロック座」25周年特別興行に出演したが、他週刊誌は活字でリポート。こんなものは活字でいくら説明されても百聞は一見にしかず。写真週刊誌ここにあり。淫靡な照明の中で、美しい裸体が怪しくくねる。

 写真を掲載したことで、劇場側が法的手段を辞さない構えを見せたが、興行側は話題を作って客を呼ぼうとするし、雑誌はそれを撮って紹介することで話題を増幅さる。「客が客を呼ぶんだから、目くじら立てないでよ」と、元「フライデー」編集長の私は思ってしまうのだ。

 栄えある今年上半期スキャンダル大賞は、『朝日新聞阪神支局襲撃犯の告白』大誤報で失態を演じたが、底力を見せた「週刊新潮」(5月21日号)の『愛人同伴「ゴルフ&温泉」の小旅行でGWを謳歌した「鴻池官房副長官」涙目懺悔録』。ほとんどの全国紙が1面を使って後追い報道をした。W不倫よりも、熱海に出かけた日の16時からは参議院の本会議があり、翌々日は、新型インフルエンザ問題で、朝8時過ぎから、舛添厚労相や河村官房長官らが官邸で対策本部幹事長会を開いているのだが、鴻池氏が旅館を出たのは朝8時30分。それも、熱海駅で切符を買わず、国会議員の特権と批判されている「JRパス」を使って乗り込んだのである。公私混同などというも愚か。辞任は当たり前だろう。綿密な取材、当事者からの十分な聞き取りを含めて、久しぶりに新潮らしさがよく出た記事であると、同誌にエールを送って、筆を置きたい。
「サイゾー」9月号より)

●元木昌彦(もとき・まさひこ)
「FRIDAY」「週刊現代」「Web現代」編集長を経て、06年講談社退社。その後、市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」で、編集長、代表取締役社長を務める。現在は、編集プロデュースのほか、上智大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

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最終更新:2009/09/21 21:00
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