“石井館長vs谷川社長” K-1場外バトルが勃発!
#格闘技 #K-1
現在、K-1が消滅の危機にさらされているという。
周知の通り、K-1といえば日本を代表する総合格闘イベントだ。93年に正道会館の石井和義館長(当時)が中心となって旗揚げ、K-1の目玉であるワールドグランプリは第1回大会から地上波で放送された。その後、フジテレビ、TBS、日本テレビ(現在は撤退)と地上波3局で放送され、大晦日のイベント『Dynamite!!』も恒例化、03年の曙VSボブ・サップ戦では裏番組の「NHK紅白歌合戦」の視聴率を超えるという快挙を成し遂げた。
そんなK-1に転機が訪れたのは、03年2月のこと。石井が法人税法違反で逮捕されたのだ。翌年、東京地裁において懲役1年10カ月の実刑判決を言い渡され、07年6月に静岡刑務所に入所、昨年8月に出所した。しかし、この”社会復帰”が思わぬひずみを生んでいるという。
「K-1創始者である石井館長は、格闘界ではある種のカリスマとなっており、彼の不在時に実質K-1を動かしていた谷川貞治FEG社長(K-1運営会社)や幹部たちといえども、頭が上がらない存在です。ところが、前科者だから対外的には一切イベントに絡んでいないことになっている館長は、出所した後もアレコレ幹部連中に口を出してくる。どうもFEGの株を取得していることが原因のようですが、前科者を嫌う地上波はそういった話を快く思っていないんです。それを逆手に取って、谷川社長らの幹部たちは、館長をなんとか排除しようと躍起になっているようです」(格闘技関係者)
そんな幹部連中の思惑を感じてか、沈黙を貫いてきた石井も今では巻き返しを図っているという。今年に入ってYouTubeで総合格闘技専門情報番組『館長チャンネル』を立ち上げたかと思えば『空手超バカ一代』(文藝春秋)を上梓するなど、表に出てくる機会が多くなってきた。
これらを見て、空手関係者は「K-1には関わらないと言っておきながら、アマチュア組織の設立を宣言したり、対抗団体・戦極との合併を口にしたり……存在感を見せつけるための館長流アピールですね。要は『館長からしたら谷川たちが物足りない、谷川たちからすれば目障り』という構図。このまま館長派と谷川派分裂、というのが格闘界では定説となっています」と断言する。
また、分裂の要因はこれだけではない。実は現在のK-1は深刻な財政難に陥っているのだ。
「近年のK-1は一時期の人気からはほど遠い状態で、チケットは減少、視聴率も右肩下がり。ここ数年で赤字は急拡大中で、1年ほど前は10億ちょっとと言われていた借金も、今では30億円に膨らんでいるとか。選手や社員へのギャラの支払いも遅れていますよ」(前出・空手関係者)
実はK-1を取り巻く状況が悪化したのは、石井が”不在”だった時期と重なるのだ。
「強引な手法でトップ格闘団体にまで押し上げたけど、やはり石井館長のマッチメイクは天才的でした。言い換えれば、結局谷川社長じゃあダメだってことなんです」(同)
年末にはK-1のスター選手・魔裟斗の引退が決定しており、ますます厳しい状況に追い込まれるのは必至。前出の格闘技関係者も「分裂で済めばいいほうですよ。いつ消滅してもおかしくない。デッドラインはもう迫っている、内部で争っている場合じゃない!」とイライラした様子で吐き捨てた。
旗揚げから16年、K-1には苦難の道が待ち受けている──。
(文=岩木昌久/「サイゾー」9月号より)
「牛殺しに挑んだのは17の夏でした―」
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