不良最強決定格闘技大会『THE OUTSIDER第7戦』鮮血レポ!(前編)
#格闘技 #前田日明 #THE OUTSIDER
不良最強は誰だ!?──リングス・前田日明主催の不良系格闘技イベント『THE OUTSIDER(ジ・アウトサイダー)』の第7戦が8月9日、東京・ディファ有明で開催された。今大会では優勝賞金100万円を賭けた65~70kg級トーナメントマッチの選考試合が行われ、”アウトサイダー初代王者”を目指し激しいバトルが繰り広げられた。が、その一方で、恒例のシングルマッチでは、強烈な個性を持った新顔も登場。ますます混沌となり面白くなってきたアウトサイダー、その主役候補たちの素顔に迫った。
梅田悠介選手(撮影/水野嘉之)
“伝統の意地 静岡浜商 現役応援団長”
梅田悠介(17歳・静岡県・初出場)
クソ暑い夏だというのに、黒い長袖タートルネック&太い学生ズボンで会場入りしたのが、シングルマッチに参戦した梅田だ。弱冠17歳、初出場でありながら、まったく物怖じする気配なし。コワモテどもが多数うごめく選手控え室でも、ガニ股でゆったり歩き、周囲にジロリと睨みをきかせる。その顔、その出で立ちはまさに、昭和のドラマ「スクール☆ウォーズ」の松村雄基のようである。現役の応援団長らしいが、それにしたって、このアナクロニズムはすごい!
試合では「シャー、ウォラァ!」と叫びながら勇猛果敢に殴り掛かり、相手をリングに沈めると、「なんじゃオリャ! 不良ども、もっと気合い入れろや!」と客席に向かって啖呵を切った。
いったい何の影響を受けて、こんなバンカラ男に育ったのか? 試合直後に話を聞いた。
──初参戦初勝利、おめでとうございます。
「うっす(眉間に皺を寄せて記者を睨む)」
──非常に目立つキャラクターだと思うんですが、街で喧嘩売られたりは?
「しょっちゅうです」
──そういうときはどうする?
「機嫌いいときはスルーするけど、機嫌悪いときはボコボコにしちゃうかもしれません」
ここで練習仲間が、梅田の武勇伝を明かす。「彼は10対1でも平気で戦える男なんです。コンビニの駐車場で大勢の暴走族に囲まれたときも、全然ひるんでなかったし。あんときは結局、相手が全員ビビって逃げちゃった」
再び本人に聞く。
──学校の中ではどういう存在?
「真面目です。不良とかヤンキーが大嫌いっすね」
──なぜ?
「中途半端だからです。クソな奴ばっかなんで」
──何をもってしてクソと?
「やってることがハンパでしょ」
──自分は何をもってして、ハンパじゃないと言える?
「そりゃ、生き方っすよ」
──なぜアウトサイダーに出ようと思った?
「ヤンキーをぶっ飛ばしたかったから」
──次に戦いたい相手は?
「誰が誰だか分からないんで、今んところ特に」
──ところで、そのぶっといズボン、通学時にも履いてるんですか?
「普段は逆に、バカ細いやつを履いてます」
──お兄さんは、いますか?
「いないっす」
──じゃあ、その着こなし術は誰に教わったんですか?
「分かんないっす」
──手に根性焼きがありますね。誰に入れられたんですか?
「先輩っすね。中学んとき」
──憧れのタレントは?
「いないっす」
──好きな音楽は?
「ないっす」
──本当ですか?
「(ムッとした顔で)流れてる曲を聴くだけっす!」
──では最後に、のりピーについて一言。
「(キリッとした顔で)覚せい剤はダメでしょう!」
何を言っても笑わない徹底した硬派ぶり。サイゾー賞を与えたら笑うかと思いきや、プレゼンターは睨まれてしまったという。
渋谷莉孔選手(撮影/水野嘉之)
“リアル刃牙”
渋谷莉孔(24歳・東京都・出場4回目)
シングルマッチのトリを飾った悪童・渋谷。ブログでの過激発言がこのところ話題だが、試合に対する態度は真摯。今回は、泣く子も黙る暴走族”八王子万吉スペクター元総長”の中澤達也(30歳・東京都・初出場)を圧倒し、デビュー戦以来の勝利を収めた。
試合後に敗者をいたわるなど、らしくない(?)一面も見せた渋谷。その心中やいかに?
──試合を終えた感想を一言。
「覚えてないから、なんも言えないっす。寝技になってからの記憶がないっすね。俺、何したんだろう……。ローキックを1回蹴ったのは覚えてるんですけどね」
──相手は暴走族の元総長でしたが。
「正直、怖かったですね。前の日は寝れなかったです」
──次に戦いたい相手は?
「今はまだ分かんないっすね」
──ブログでは土橋政春選手との対戦を熱望していましたが、それはなぜでしょう?
「それは内緒っす」
──今後も格闘技は続ける予定で?
「うーん……センスあるのかどうか。ま、当分やろうかな、とは思うけど」
──最近、ブログが話題ですね。
「あれはもう、予想通り」
多くを語らず立ち去った渋谷。メインを二度張った人気者だけに、いまや方々から首を狙われる立場になったようだ。この日、客席にいた”アウトローのカリスマ”こと瓜田純士氏も「もし俺がアウトサイダーに出れるなら、やりたい相手は渋谷莉孔。ホンモノのアウトローが誰なのかってことを分からせてやんねえと」と語った。
(後編へつづく/取材・文=岡林敬太/記事中写真=大根篤徳)
暴れん坊大集合
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