大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」(後編)
#テレビ #ネット #対談 #サブカルチャー #小明 #大根仁 #大人よ教えて!
編集 今のテレビって、お馬鹿タレントばっかり、どのチャンネルもクイズ、お笑いもほとんど同じメンツで……と、「テレビがつまらなくなった」とばかり言われます。これからテレビはどうなっていくんでしょうか?
大根 そんなにつまらなくなってないと思うけどね。みんな「昔は面白かった」って言いすぎだと思うんだよ。今のほうが良い技術は使ってるし、ちゃんとやってる人はやってるんだよね。『めちゃイケ』とかも好きだしなぁ。
――本当に面白いものを作ろうとしている人と、「これが流行ってるからこれをやっとけばハズレじゃないでしょ?」って作ってる人に分かれていて、後者のほうが目立ってしまってる感じですか?
大根 そうそう、そこが叩かれてるんだよね。
――2ちゃんねるのアンチとかと同じで、人って悪口ほど大きい声で言って、良い事はそんなに大きい声を出さないじゃないですか。
大根 そうだね……今、良いこといったね! ……『エンタの神様』とかもさ、意外と早かったりするじゃん、芸人みつけるの。あれはあれですごいと思うけどね。つまりは、”エセ評論家”が増えたみたいなもんだよね。『サイゾー』を始め(笑)。
編集 ほんとすみません!
――ちなみに大根さんは、ずっとブレなくテレビマンなわけですよね。挫折とか、この仕事を辞めて何か違うことをしようと思ったことはないんですか?
大根 一度もないよ。学生のときに花屋でバイトして、手先が器用だったから「この先これで食べていけるんじゃないか?」と思ったことはあるけど。挫折とかも、鈍感だからあんまり感じないんですよね。あんま向いてない仕事やってるときでも、自分なりに面白いところを見つけて無理やり楽しんじゃうし。そもそも俺には才能もオリジナリティも何もないと思っているから。とにかく、自分に才能がないってことに対してはすごく自信を持ってる(キッパリ)
――ええええ? そんな謙遜を!
大根 いや、ほんとに何にもないですよ。何をやってるときでも「俺は本来こうあるべき!」っていう拘りみたいなものは全然なくて、「今はこれなんだから、これを精一杯楽しむ」って感じ。今はそういう言葉で説明出来るけど、当時はそんなことも考えずにやってたよ。
――えー! 心が折れてしまいそう時とかないんですか? たとえば、自分と同期の人間がどんどん出世や成功して評価されていったりして、「ちくしょー、いいなぁ」とか。
大根 若いときは多少あったかもしれないけど、やっぱり自分の中でいくつか絶対的に自信のあるものが出来たりするでしょ? そうしたらそれは世間の評価とか、そういったものは置いといて、それがあれば大丈夫になっちゃうね。それに成功している人を見ても、人の才能を見るのは好きだから、「この才能とこの才能をくっつけて、ちょっと俺がちゃちゃいれると面白いものが出来るかなー」とか、そういうところには少し自信はあるかな。
――こんだけ偉い方がこんだけ謙虚だと、自分がゴミに思えてきます……。私はいつも狭い世界で物を見てしまって、考えがいたらないまま心が折れでしまって……それで「どうしても嫌だなぁ、やる気にならないなぁ」って……ダメですね……もう根本から変えねば……これからの人生どうしよう……。
大根 それは性格だからねーもう無理だよー(良い笑顔で)
――わー。来世がんばりまーす! しかしやっぱり本当に視野が広いですねぇ。それが成功の秘訣ですね、きっと。
大根 ありがとう! 今後はそういうことをゴールデン街のカウンターの中から言えばいいんじゃない?(ほがらかな笑顔で)
――えっと、大根さん私のこと本当に興味ないですよね! 今日はありがとうございました!
(取材・構成=小明/「サイゾー」8月号より)
●大根仁(おおね・ひとし)
1968年、東京都生まれ。テレビ演出家。『劇団演技者。』(フジテレビ)、『30minutes』(テレビ東京)、『週刊真木よう子』(テレビ朝日)、『湯けむりスナイパー』(テレビ東京)など、深夜帯で次々に話題作を放ち続ける、通称”深夜番長”。
●小明(あかり)
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、現在、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。6月2日に書籍『アイドル墜落日記』(洋泉社)刊行。以来、返本に怯える日々。ブログ「小明の秘話」。
“深夜番長”の次回作にこうご期待!
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