話題作のデータと徹底比較して見えた『ヱヴァ』シリーズ、ホントの実力
#アニメ #ヱヴァンゲリヲン
6月27日、新シリーズ2作目となる『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が公開され、2日間で35万人を動員、興行収入5億1,000万円を記録した。さらにその2日間には「第3新歌舞伎町宣言」と銘打ったイベントも開催され、雨であるにもかかわらず歌舞伎町にはファンが殺到した。当初から予想されていた通りの大ヒットを各メディアはこぞって報道。公開1週目の映画界は”ヱヴァ狂想曲”とでもいうべき活況を呈していた。
しかし、同作と直近で公開された作品を見てみると、『ROOKIES-卒業-』は公開2日間で100万人を動員、そして『ごくせん THE MOVIE』も公開2日間で40万人を動員という大ヒットを記録した。ここまでに提示したデータを比較すると、『ヱヴァ』は確かに大ヒットと呼ぶべき記録を残しているモノの、話題作のなかでは目立った数字では無いように見て取れる。ところが、他の作品が公開日から徐々に話題にならなくなるのに比べて、同作は公開から1カ月が立った現在でも、各サイトのエンタメニュースにトピックスが上がっている状況だ。なぜ『ヱヴァ』だけが風化せずに注目され続けるのだろうか? その理由を探るために、長期の集計データをもとに先に挙げた2作品を例にとって比較を行ってみよう。
広報局第1課課長」に任命された人気
グラドル・仲村みうチャンも登場。
エヴァへの想いを熱く語った。
公開2週目のデータを比較した場合、『ヱヴァ』は興行収入13億6,000万円。それに対して『ROOKIES』が33億3,000万円で、『ごくせん』が13億1,000万円という成績だった。数字だけを並べると『ROOKIES』の成績が抜きんでているように思われる。ただし、同作は『ヱヴァ』や『ごくせん』の4~6週先行して公開されている。そして『ヱヴァ』が公開されると同作は2位に転落し、『ごくせん』が公開された日には4位に転落している。興収データのみで判断するのは早計だが、他に匹敵するほどの話題作が公開されなかったため好成績を収められたとも見ることができる。
そして『ヱヴァ』と『ごくせん』を比較すると、辛うじて『ヱヴァ』に軍配が上がっているが、ドングリの背比べ程度の差にしか感じない。しかし、これに全国の上映劇場数を加味すると様相は一変する。『ROOKIES』は335館、『ごくせん』は332館の劇場で上映。それに対して『ヱヴァ』は122館でしか上映していないのだ。単純に数だけで比較をすれば、『ヱヴァ』は1回の上映につき他の作品の約3倍の観客が鑑賞したことになる。そもそも同作では、ネット上でも「何回も観に行った」という他の作品では見られない書き込みが多数散見されたことから、多くのリピーターがいることがわかっている。また、『破』の公開に合わせたテレビシリーズの再放送が、深夜としては異例な3.3%を記録し、ドコモから発売された「ヱヴァ携帯」が受付直後に完売するなど、いまだに社会現象を巻き起こしているのだ。
95年の旧テレビシリーズ放映開始から14年。当時、絶大な衝撃を受けた”第1世代”から、再放送・DVDを観てきた後の世代まで、幅広い年齢層に熱狂的な支持者を作り続けてきた。練られたプロット、高水準な映像、魅力的なキャラクター……同作の強烈なコンテンツ力はいまだに色褪せない。
(文=山口侘助)
NEON GENESIS EVANGELION vol.01
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