20年ぶりに復活を果たした”歌う八百屋”伊南喜仁に注目!
#演歌
一見、新橋の夜が似合いそうな、サラリーマンチックな風貌。その実は、歌唱力には定評がある実力派シンガーである。
61歳の演歌歌手・伊南喜仁さんが歌う「天」が、演歌の古典的セールス手法の”手売り”でジワジワと売れ出し、”第二の秋元順子”になれるのか、と期待されている。
「昨年、ニューバージョンの『天』をリリースしたら、東北地方だけでなく、四国、それに苦手としていた大阪でも火が付いているんです。『片恋酒』以来の大ヒットになればと、がんばってます」(伊南さん)
伊南さんは、青森県の五所川原生まれ。中学卒業後、夜間高校に通うために上京。昼は八百屋で働きながら、子どもの頃に覚えた民謡で日本郷土民謡協会主催の全国大会に優勝したことがキッカケで、1982年にデビュー。そして、2曲目の「片恋酒」が10万枚のヒットを記録した。
「当時も八百屋はしてました。”歌う八百屋”として団地を周りながらキャンペーンをこなしていたことがワイドショーの話題にもなって、ヒットに結びついたんです」
だが、その後、ヒットに恵まれず。その間、伊南さんは後進の指導と民謡の普及に努めていたが、06年に20年ぶりの新曲「天」のレコーディングの話が持ち上がった。
「鹿児島の西郷隆盛をモチーフにした曲。青森出身の俺には歌えないと初めは断ったんです。作詞家のさいとう大三先生に”お前しか歌えるやつはいない”と言われ、詩をよく読み直すと西郷さんの座右の銘の『敬天愛人――天を敬い人を愛する』という言葉が入っていた。こうした歌は、道徳心が薄れた現代にこそ必要だと思い、歌うことに決めました」
いまどきの歌手からは聞かれないようなマジメなお答え。曲の売り方も堅実で、キャンペーン先での手売りという基本を着実に繰り返し、売り上げでは万を超える枚数になった。もちろん、八百屋稼業のいまだ並行中。キャンペーンでは、野菜プレゼントなどという一風変わったものも行った。
7月26日には、さらに勢いをつけるべく、コンサートも開催予定(問い合わせ:センター企画 03-3374-7860)。団塊の星となれるのか?
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