「県民に謝れ」師匠たけしが一喝! 東国原宮崎県知事国政進出断念の舞台裏
#北野武 #本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」 #東国原英夫
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!
少し前の話になるが、時間も立ったので内幕を書いてもいいだろう。宮崎県の東国原英夫知事が、自民党から要請されていた次期衆院選出馬を断念した内幕の一端だ。
7月10日、東は師匠のビートたけしとの”密会”後、出馬を断念したが、実は筆者もその密会現場にいた一人だった。
6月21日、たけしが客員編集長を務める東京スポーツ新聞の連載企画で、たけしへの取材の最中に「東が自民党の古賀誠から、出馬要請を受けるみたいだよ」との情報が入ってきた。その2日後に古賀誠選挙対策委員長が東知事に次期衆院選の目玉として、出馬を直々に要請した。東知事は条件として、全国知事会の地方分権に関する提言をマニフェストの盛り込むこと。さらに、自分を総裁候補にすることを挙げた。
この時点で、筆者は思い上がりも甚だしいと強く感じた。いや、このまま突っ走ると、国民や宮崎県民の批判を浴び、マスコミの袋叩きに合うと確信、東知事のことを心配したという面もある。彼は昔から、突っ走ると冷静な判断ができなくなる面があることも聞いていた。
師匠のたけしと親しいということで、東知事の過去に関する取材が筆者にも殺到した。マスコミが、増長した東に対するバッシングを虎視眈々と狙っていることを実感した。
しかし、東知事は強気になる一方。たけしは、自身の番組でも東知事と言葉を交わす機会があったが、「本気で出るつもりなの?」と会話するのみ。にもかかわらず、周囲には「おいらが焚きつけてるみたいで参ったよ」と、ぼやいていた。
7月7日の七夕の日に、神田の料理屋で、たけしとある人物との食事会があった。その席に小泉純一郎元総理の秘書官だった飯島勲氏がたまたま同席。東知事が自民党でどう評価されているかの薀蓄(うんちく)を並べ立てたが、それを聞く限り、世間だけでなく、党内でも逆風が吹き荒れることが想像できた。たとえ、自民党に担ぎ出され、比例区で当選しても、政権は民主党に移れば、東知事は飼い殺し。宮崎に戻ることもできない。その上、東知事を出馬させるのは、古賀と、舌禍事件で国交大臣を短期で辞任した中山成彬の陰謀では? との説も聞かされた。要するに、東知事の後釜に、中山が知事としてその座に座るという話だ。
こうした話を聞くに連れ、危機感を強めたたけしは、飯島氏が退席した直後に「東を東京に呼んで、説得しよう」と決意。10日に銀座1丁目にあるレストランで9時過ぎに待ち合わせた。
筆者が早めに到着すると、極秘であるはずの場に、すでにマスコミが押しかけているのには驚いた。
初めに東知事が現れた。10分くらい遅れて、ほろ酔い気分のたけしが登場。「かみさんと食事してたんだよ」と弁明しながら、「(東知事と頻繁に連絡し会っている)水道橋博士も”思った以上に逆風が吹いている”と言っていたぞ。おいらもそう思う」と、東知事に忠告。その場にいた関係者の一人が「大衆を甘く見るな。残りの県政を全うして、任期が終えた後に出馬すれば、県民は拍手で送り出してくれる」と一喝。その言葉を受けてたけしは「宮崎県に帰って、県民に謝れ。お笑い出身なんだから、土下座でもして謝れ。そうすれば、今回の件で下がった支持率も少しは持ち直すだろう。さっさと帰りやがれ」と締めくくった。
東知事は未練があるのか、「いつ出馬断念を発表するのか?」と問われると、「考えさせてください」と言って、その場を立ち去った。しかし、マスコミはたけしが帰るまで動く様子がないということで、たけしは一人先に出て、マスコミの囲み取材に「早く、宮崎に帰って県民に謝れと言ってやった」と答えてしまった。それは、たけしのしたたかな計算だったのかもしれない。こうした流れの中、東知事は出馬断念に追い込まれ、16日に正式に出馬を断念した。これが、世間を騒がせた”密会”の一部始終だ。
東知事は、たけしに救われたといっても過言ではない。
「県民に謝れ」
師匠だからこそ言えた、東知事の頭を冷やすには十分の一言だったのだろう。
(文=本多圭)
芸人に戻っちゃう?
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