東京の芸能プロが吉本「LIVE STAND 09」に芸人を出演させないワケ
#お笑い #吉本興業 #本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!
吉本興業のお笑いフェスティバル「LIVE STAND 09」が、7月18~20日の3日間、千葉の幕張メッセで、夏のフェスティバルとして行われる。今年は、3月に吉本が沖縄で初の「沖縄国際映画祭」を開催した関係で、ゴールデンウィークから、この時期に移動しての開催となった。
今年の4月に新社長に就任した大崎洋社長は、昨年の第2回「ライブスタンド」開催にあたって、吉本のお笑いフェスティバルではなく、日本のお笑い界の祭典にすべく、ホリプロやワタナベエンターテイメント、サンミュージックといったお笑いタレントを扱う大手プロを初め、東京のお笑い系芸能プロにも出演を呼びかけてたが、スケジュールを理由にほとんど断られたという。
「実際には、スケジュールが理由じゃありませんよ。吉本には、協力したくないんですよ」というのは、事情を知る大手プロ幹部。ほかの芸能プロとしては、吉本が用意した舞台で、吉本芸人の引き立て役になるのは避けたいということだろうか。
意外かもしれないが、東京の芸能プロは、吉本に対して排他的なスタンスを取ることがいまだあるという。
毎日、日中に帯で放送されている複数の情報番組。お笑い芸人が跋扈しているが、意外にも吉本芸人が少ない。バラエティ番組では吉本芸人が寡占状態になることが多いが(絶対数が多いのだから当然だ)、情報番組では東京の大手プロの意向が強く働くことがあるようだ。だが、「LIVE STAND」のようなイベントに対して、同様のスタンスを取るのはどうかと思う。
いくらお笑いブームといっても、筆者は峠は超えたと思っている。そんな中で、お笑いタレントを名乗る若者は増える一方だ。彼らは、本来の芸を披露する場所がない。小さな劇場で、若いお笑いファンを前に芸を披露するか、テレビ用の短いネタ(しかも、番組の作家がつくることも多い)を番組で見せるくらいだ。
そんな芸人たちにとって、1万人前後の客を前に芸を披露できる「LIVE STAND」は、貴重な経験を積める場だ。単にブームの中で消費されずに、芸で飯を食べていける芸人に育てるために、そういう機会を与えてあげるのも、芸能プロの務めだと思う。
しかし、今年のメンバー表を見ると、吉本以外で出演している芸人は、おぼん・こぼん、昭和のいる・こいる、ナイツといった東京の漫才協会の芸人ばかりだ。
東京のお笑いプロのケツの穴の小ささには情けなくなるが、今年は、人気急上昇中のはんにゃの金田哲、ライセンスの藤原一裕、NON STYLIEの石田明のイケメン3人組が「ライブスタンドボーイズ」を結成。当日、デビューするという。
吉本にとっての朗報は、今年はライブスタンド始まって以来の黒字が予想されるということだ。中田カウス金属バット襲撃事件に、カウスと吉本の役員も脅迫した脅迫状事件と暗い話題ばかりが目立っただけに、夏のフェスティバルに大いに期待したい。ちなみに筆者はFUJIWARAの大ファンだ。
(文=本多圭)
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