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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 上野にいる「本物」のハチ公は、ヤキトリの串で死亡していた!?
映画『HACHI 約束の犬』

上野にいる「本物」のハチ公は、ヤキトリの串で死亡していた!?

hachi_hp.jpg『HACHI 約束の犬』HPより

 俳優のリチャード・ギア氏が7日、主演映画『HACHI 約束の犬』(ラッセ・ハルストレム監督)のPRで来日し、JR渋谷駅前で行なわれた「ハチ公銅像訪問記念セレモニー」に出席。ハチ公像に花輪をかけながら「ついに本物のハチに会えたよ」と上機嫌でコメントした。

 映画に出演している犬は、日本生まれでアメリカ育ちの秋田犬。子犬時代を演じているのは柴犬だ。従って、渋谷の銅像を「本物」というギア氏のコメントはある意味で正しい。しかし、厳密な意味で「本物」のハチが今どこにいるかご存知だろうか。

 昭和初期に実在したハチは、実は剥製になって上野の「国立科学博物館」に常設展示されている。東京大学の上野教授に飼われていたハチは、教授が亡くなった後も主人の帰りを待ち続け、その健気な姿に感動した当時の日本犬保存会会長の斉藤弘吉氏の投稿により、1932年の東京朝日新聞で報道されて一躍有名になった。ハチが死亡したときは告別式が渋谷駅で盛大に行われ、妙蓮寺から呼ばれた僧侶が読経をするなど人間さながらの葬儀が執り行われたという。「ハチを国民の宝として残そう」と考えた斉藤会長は、当時日本一の剥製士といわれた坂本喜一氏に依頼し、これに国立博物館のスタッフなどが加わりながらハチの剥製は作られたのである。

「ハチの死亡は1935年3月8日ですが、3カ月後の6月にはすでに博物館に展示されていたとの記録が残っています」とは同博物館動物研究部の川田氏。死んでから70有余年の歳月を上野で過ごしてきたハチだが、「常設展示の中でも人気が高いほうです。過去に地方の博物館へも貸し出しましたが、やはり人気は高かったです。剥製の存在に驚く方も多いですね」とのこと。

 ところで、ハチが渋谷駅に毎日やってきたのは、亡き主人の姿を追ってという感動的な理由以外に、当時渋谷駅の近くにあった飲み屋の客から焼き鳥を貰うのが日課になっていたからという話もある。実際、死んだハチの胃の中にはヤキトリの串が数本突き刺さっており、直接の死亡原因は一般的にいわれているフィラリア病ではなく、この串のせいだという説さえある。

 焼き鳥の話がハリウッドの映画関係者の耳に入っているかどうかは定かではないが、「ハチに会えてハッピーで光栄な気分だ」と感慨深く語ったギア氏主演の映画は、8月8日から全国でロードショー公開される。
(文=浮島さとし)

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元祖。

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最終更新:2009/07/11 20:40
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