杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」(後編)
#映画 #本 #対談 #邦画 #サブカルチャー #小明 #大人よ教えて!
――杉作さんとすごい話が合う若い女子とか、それはそれで不安ですけどね。
杉作 それにいつまでも撮らないから、カメラも取りあげられちゃってね。ハハハ。
――カメラもなくてどうやって映画を……?
杉作 だからまず返してもらわなくちゃいけないんだけど、とりあえず制作費を稼ごうと思って。それでパチンコするんです。今『CR蒼穹のファフナー』っていうのが出てて、あ、アニメの『ファフナー』は見た?
――見てないです。っていうか、それじゃ『チョコレート・デリンジャー』完成しないですよ!
杉作 (気にせずに)ハハハ。コマーシャルでもう夢中になっちゃいましてねぇ~『ファフナー』! 完全に女性ランキングが『エヴァ』の綾波さんより『ファフナー』のカノン・メンフィスが上になってしまいましたよ! でも、両方ともキングレコードでしょ、もう完全に、商売的にやられているってバレるから、言わないようにしようとしてるんだけど、キングレコードとは相性がいいんだなぁ……あ、『ナデシコ』は見た? アニメ見ないの?
――私はあんまり、『ガンバの冒険』とかしか。
杉作 じゃあ、ごらんなさいよ『ファフナー』!! 絶対見たほうがいいよ!! あんな面白いものないなぁ……(遠くを見ながら)。
――そうなんですか。でも、私はアニメに感情移入が出来なくって。出てる子たちが14~17歳くらいじゃないですか、輝かしすぎて目がくらんでしまって、どうも現実味が……杉作さんは『エヴァ』とかは、誰目線で見てたんですか?
杉作 エヴァは、あの中にまだ出てきてない人が僕じゃないですか? もうちょいしたら出てくるのかなーみたいな。でも、あの中の人間関係に僕、いましたよ。綾波とアスカが僕をつつき合いしてるんです。今は『ファフナー』ですけども……あ! きのうはデートに行ってたんですよ、湘南に。
――あ、ちゃんと普通にデートもしてるんですね! なんか良かったです!
杉作 お昼前に目が覚めて外を見たら天気が良かったんですよ、これはデート日和だな! 海に連れて行ってあげよう、と思って。
――当日で海なんて、ロマンチック!
杉作 行ってきましたよー! 『ファフナー』のDVD-BOXとCD-BOXを助手席に乗せて、湘南に!
――……え?
杉作 『ファフナー』は海辺の話なんですよ。だから砂浜に持っていって写真を撮ってきました。世田谷の僕の家に『ファフナー』のBOXがあっても絵にならないからね!
――砂浜に置いて、絵になりましたか?
杉作 ……やっぱり持っていくと、”物”は”物”なんですよねぇ……。DVDも砂でジャリジャリになっちゃったし……。
――やっぱり! でも、私も湘南に行くとか、そんなデートしてみたいです! デートとか、とんと機会がなくて!
杉作 (機嫌を直して)おっ、デートがしたいの? ダメですよ、アイドルなんだから、ファンの人がデートしないでほしいと思っているはずですよ。その人たちの思いが小明ちゃんをデートさせないようにしてるんですよ。
――そんな生霊みたいな! それほどファンの数もいないですよ! っていうか、それだったら(杉作さんが大好きだった)加護ちゃんだって、違った今があるはずじゃないですか!
杉作 それは……僕の祈りが足りなかったんですよ! もういいんです加護ちゃんは! 僕には今はカノンがいますからね。
――その位置だって前は綾波さんだったじゃないですか、あんなに好きだったのに……。
杉作 僕が『ファフナー』のカノンに夢中になってから、パチンコも『ファフナー』を打つようになって、そのとき『エヴァ』も新しい台が出ていて、これは綾波さんにバレたらどうしよう……と思ってたんだけど、それからさっぱり『エヴァ』で出なくなっちゃって……綾波さんが僕に冷たくなったんですよ。でもカノンは僕に2万円くれたんですよ。
――……もう14歳のカノンのヒモですね。
杉作 いくら機械でも、やっぱりわかるんだなぁって。ホラ、逆説的に証明されました。やっぱり僕は綾波さんと付き合ってたんですよ……。さらに言うと、僕は今、カノンと付き合ってるってことなんです……!
そう言って真剣なまなざしで空を見つめる杉作さんに、私の「本がどうやったら売れるか」なんて相談は届くことはなかった。それに、そもそも杉作さんの本が売れていないということにも帰ってから気がついた。「サイゾー」の連載をまとめた本がいちばん売れなかったという噂も聞いた。せっかく「サイゾー」で連載が始まったのにこんな対談になってしまって、本が売れるどうこうよりも今回で打ち切りにならないかどうかを編集長に相談したい気持ちです。
(取材・文=小明/「サイゾー」7月号より)
●杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
1961年、愛媛県生まれ。82年、『ガールハンター』でマンガ家デビュー。以降、「ガロ」(青林堂)などで活動を続ける傍ら、「L.L.COOL J太郎」としてミュージシャンデビューも果たしている。現在、映画制作プロダクション「男の墓場」局長。
●小明(あかり)
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、現在、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。6月2日に書籍『アイドル墜落日記』(羊泉社)刊行。以来、返本に怯える日々。
ブログ<http://yaplog.jp/benijake148/>
Jさん著。
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