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いよいよ”赤壁の戦い”へ──『レッドクリフ PartII/未来への最終決戦』

redcriffii.jpg(C)2009, Three Kingdoms, Limited. All rights reserved.

 昨年11月1日公開され、興行収入50億円を超える大ヒットとなった『レッドクリフ Part I』。その続編『レッドクリフ Part II/未来への最終決戦』が4月10日より公開され、前作に負けず劣らずのヒットを記録中だ。

「三国志演義」の中でも最大の合戦と言われる”赤壁の戦い”を全2部作で描く後編。前編では登場人物が集結し、いざ決戦へ! ……というところで終わってしまったが、後編となる本作では、いよいよタイトルの通り”赤壁(レッドクリフ)”での大合戦が展開。『フェイス/オフ』や『M:I-2』など、ハリウッドでアクション映画を成功させてきたジョン・ウー監督は、製作費100億円をかけた本作でも圧倒的な物量とVFXとで、赤壁に陣取る曹操軍の軍船が真っ赤に燃え上がる様子を描く。そのスペクタクルは2部作合わせて計5時間近い大作のクライマックスとして申し分ない。

 野心に燃え、独裁的で強大な戦力を握る曹操に対し、数の上では圧倒的に不利ながらも、各武将が仁義に厚く、周喩(トニー・レオン)と孔明(金城武)の友情を軸に、夫婦愛や兄妹愛を織り交ぜて結束していく連合軍という図式も然り、ジョン・ウー監督が前作からずっと言い続けていた「友情」というテーマが最後までぶれないのも感情移入がしやすいはず。

 公開から1カ月がたったが、ヒット中なのでまだまだ上映は終わらないだろうが、これから夏の大作が続々と公開されれば、大きな劇場での上映は減ってくる。なるべく大きなスクリーンで見てこその映画なので、まだの方はお早めに。

 また、本作では周喩役の主演トニー・レオンはもちろんだが、もひとりの主演・金城武も、重要な孔明という役柄を難なく演じているように見せていてうまい。孔明は頭脳の人ゆえ、アクションは皆無で、最終決戦が始まると潔いまでに画面に登場しなくなってしまうのが残念だが。

 しかし、金城にはもう1本の主演作『ウォーロード/男たちの誓い』がある。5月8日公開の本作も、中国の史実を基に描かれた歴史アクション劇。『レッドクリフ』よりはかなり男臭い映画だが、それだけ見ごたえはある。ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武という中華圏のスターが揃い踏みなところも『レッドクリフ』に共通しているし、主人公の3人が義兄弟の契りを交わすというのは、やはり「三国志」にも通じる。

 舞台は19世紀末、”太平天国の乱”に揺れる清王朝末期。戦に敗れた将軍パン(ジェット・リー)は、盗賊のアルフ(アンディ・ラウ)、ウーヤン(金城武)に救われ、やがて3人は”投名状”という義兄弟の契りを交わす。パンの提案で、盗賊から成りあがるため官軍に入った3人は、次々と武勲を上げ、地位と名誉を築いていく。しかし、それぞれが抱く信条にずれが生じはじめ、固く結ばれていたはずの3人の男は悲痛な運命にのまれていく。

 本作での金城は、3人の主人公の中では一番優しい性質の男だが、『レッドクリフ』の孔明とは違い、泥まみれになって戦う姿も見せる。中国を代表するアクションスターのジェット・リーと渡り合う場面もあり、孔明の印象が強い今だからこそ、逆にそんな金城武の姿も新鮮かも。

 本作は、香港のアカデミー賞と言われる香港電影金像奨や、中国・台湾・香港など中国語圏の映画を表彰する伝統ある映画賞、台湾金馬奨でも作品賞を受賞。『レッドクリフ』以上の評価を受けて、中華圏で大ヒットを記録している一作。『レッドクリフ』とあわせて楽しんでみては。
eiga.com編集部・浅香義明)

『レッドクリフ Part II/未来への最終決戦』
『レッドクリフ Part II/未来への最終決戦』リン・チーリン インタビュー
『ウォーロード/男たちの誓い』

レッドクリフ Part I

観てから観る。

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最終更新:2009/05/09 11:00
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