いよいよゴールデンウィーク やっぱりアカデミー賞作品が観たい!
#海外 #映画 #アカデミー賞
今年もゴールデンウィークに突入。ちなみに、この”ゴールデンウィーク”という通称は映画業界から発祥したもので、興行的には正月や夏休み、春休みと並んで重要な書き入れ時のひとつ。今年は『レッドクリフ Part II』や『クローズZERO II』といった話題作が市場をにぎわせており、『名探偵コナン』『クレヨンしんちゃん』といったGWの定番アニメ映画もヒット中だ。
この大型連休にまとめて映画を鑑賞するなら、そうした全国公開規模のヒット作でも良いが、今年のアカデミー賞に関連した小粒だが良質な作品が揃って公開中のため、そららの名作を一気に見るのもいい。特に見逃せないのが、アカデミー賞で作品賞を受賞した『スラムドッグ$ミリオネア』だ。
舞台はインドの首都ムンバイ。スラム育ちで貧困ゆえに無学の青年ジャマールが人気クイズ番組「クイズ$ミリオネア」(日本ではみのもんたの司会でおなじみ)で正解を連発、あと一問で全問正解というところまでたどりつくが、不正を疑われて警察に連行されてしまう。彼がクイズに正解することができたのはなぜか? そこから彼のそれまでの半生が語られていく。
監督は、『トレインスポッティング』『28日後…』などで人気の英国人ダニー・ボイル。舞台はインドで俳優も無名だが、今年のオスカー候補になった5作品の中では、もっとも希望に満ちた物語。主人公ジャマールのサクセスストーリーであり、同時にどんな苦難に遭っても一途に愛する女性を追い求める主人公の姿を描いたラブストーリーでもあり、スリルにロマンス、冒険に主人公の成長物語と”ハリウッド映画的”な要素はたくさんあるので、決してコアな映画ファンのためだけの作品ではない。
『スラムドッグ~』が公開されたのは4月18日だが、同日にはアカデミー賞で作品賞を競った『ミルク』も公開になった。
こちらは作品賞こそ逃したが、脚本賞とショーン・ペンが自身2度目の主演男優賞を受賞。1970年代に実在した、アメリカで初めて同性愛者であることを告白した上で公職に就いた政治家ハービー・ミルクの半生を、ガス・バン・サント監督が描いた。ミルクはゲイのみならず、黒人や貧困層など、マイノリティのために戦ったが、志半ばで凶弾に倒れてしまう。ペンの熱意のこもった演技に注目だ。
そして、最後にもう1本。アカデミー賞でアン・ハサウェイが自身初の主演女優賞候補となった『レイチェルの結婚』も同じ18日から公開されている。
姉レイチェルの結婚式に出席するため、ドラッグ中毒の更生施設から生家に戻ってきたキムをアン・ハサウェイが演じている。互いを傷つけてしまいながらも、徐々に歩み寄っていく家族の姿を、ドキュメンタリータッチで捉えたちょっと異色なホームドラマだ。健康的なイメージが強いアン・ハサウェイは、薬物依存でもろく傷つきやすい主人公の姿を、リアルにだが痛々しくなりすぎずに演じ、あらためて演技の幅広さを証明。監督は『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミ。近年、キャリアが低迷気味だった監督にとっても久々に快作となった。
2月末のアカデミー賞授賞式から2カ月が過ぎたところで、続々と受賞作、候補作が公開されている。いずれも公開規模は大きくないが、見逃したくない作品。ゴールデンウィークは名作三昧といきたい。
(eiga.com編集部・浅香義明)
『スラムドッグ$ミリオネア』
『スラムドッグ$ミリオネア』ダニー・ボイル監督インタビュー
『ミルク』
『ミルク』ガス・バン・サント監督インタビュー
『レイチェルの結婚』
『レイチェルの結婚』映画評論
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