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「単なるアイドルヲタじゃないぞ」という言い訳にも便利!?

“語りたがり”で何が悪い? 矮小化する「アイドル評論」の今(前編)

hyoron_0519_01.jpg『アイドルにっぽん』巻末に掲載されている宮沢りえ(左)、後藤久美子(右)、そして中森の3人。

 アイドル同様、時代とともに移り変わっていくアイドル評論の世界は、00年代後半、Perfumeや初音ミクといった新しいタイプのアイドル出現によって、その模様を大きく変えつつあるという――。そこで、70年代から現在までのアイドル評論の変遷を辿った。

 アイドルの起源について、コラムニストの中森明夫は、自身の25年分のアイドル論考をまとめた著書『アイドルにっぽん』(新潮社/07年)の中で、南沙織を「国産アイドル第一号」としている。南沙織がデビュー曲「17才」をリリースしたのは、1971年6月。南は、同年4月にデビューした小柳ルミ子、10月にデビューした天地真理とともに「三人娘」と呼ばれた。73年には、オーディション番組『スター誕生!』(71年~83年/日本テレビ)からデビューした森昌子、桜田淳子、山口百恵が「中三トリオ」と呼ばれ人気を博す。70年代は、歌の巧拙や外見的な価値そのものよりも、存在自体が大衆から愛されるタレントという意味でのアイドルが誕生した時代だった。

 では、アイドルを語るアイドル評論は、どのように成立したのだろうか?アイドルソングの評論を主とするミニコミ誌「よい子の歌謡曲」のメンバーによって編集された『80’sアイドル ライナーノーツ』(JICC出版局/91年)の中に、「80年代はまぎれもなく、アイドルの時代だった」とある。この言葉を受けて中森は、「80年代は『アイドルの時代』であると同時に『アイドル論の時代』でもあった」(『アイドルにっぽん』)と続けている。

最終更新:2010/02/08 17:05
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