鉄ヲタも驚愕! トレインサーファーが疾走するパラレルな日本
#アニメ #DVD #サブカルチャー
「鉄路──それは日本列島の大動脈。これは、貧困にあえぐ日本を舞台に、列車の屋根に飛び乗りスピードとスリルを味わうことに命をかけた若者たちの、驚異の物語である」というナレーションから始まる、1話1分のショートアニメ『トレインサーファー』。走行中の列車の屋根に飛び乗り、その爽快感とスリルを楽しむという、究極のエクストリームスポーツを描いた中尾浩之監督の意欲作だ。「ライブメーション」という実写とアニメを合成した表現で描かれた同作品は、04年にMTV内でシーズン1全15話が放送されるや話題を呼び、現在ではシーズン2まで放送、DVD化されている。
舞台はどこか見たことのある風景と異様な人々が交錯する、パラレルワールドの日本。主人公JKをはじめとするトレインサーファーたちを中心に、彼らを妨害する鉄道員、はたまた鉄道オタクまでもが登場し、物語は展開されていく。なんとも突飛なアイデアだが、この発想はどこから来たのか。
「学生の頃、実際にブラジルなど海外で行われているトレインサーフィンの写真を見て、いつか作品にしてみたいと。僕にとって『電車=体制と秩序の象徴』であり、その屋根に飛び乗ることで、現実と異界の間に存在する”紙一重のカタルシス”を描きたかったんです」
また、作中では1話目と2話目のストーリーはまったくつながっておらず、各話数は1話目が「第12話」、最終話である15話目が「第124話」となっている。いったいなぜこのような視聴者を混乱させるような作りに?
「この作品最大の魅力は、世界観にあると思っているんです。しかし、1分間の映像だけでは、そのすべてを表現しきれないので、おいしい部分だけを抜粋し、視聴者に、抜け落ちたストーリーを想像してもらいたかったんです。映像として見ている部分だけでなく、見えていない部分も見ろ、ということですね(笑)」
気になるシーズン3もすでに構想済みで、キーワードは「新幹線」とのこと。「いずれは実写映画化」という監督の言葉通り、無限に広がるトレインサーフィンの世界に今後も要注目!
(文=秋山純一郎/写真=有高唯之/「サイゾー」5月号より)
●『トレインサーファーII』
日本が不況に喘ぐ中、スリルと快感を求める若者たちの間で、列車の屋根に乗るストリートゲーム・トレインサーフィンが一大ブームとなっている、もうひとつの近未来の日本を描いた、ヴァーチャルエクストリーム系ハイクオリティアニメーション。
発売/ポニーキャニオン 価格/2940円 発売日/4月24日
●なかお・ひろゆき
1968年生まれ。独自のスタイル「ライブメーション」による作品『スチーム係長』が98年「MTV Station-IDコンテスト」にてグランプリを受賞。00年カンヌ広告祭におけるニューディレクターズショーケース(サーチ&サーチ主催)で世界の新人監督8人に選出。04年『ZERO』にてショートショートフィルムフェスティバル・グランプリ、ほかトリプル受賞。現在、新しい歴史エンターテイメント番組『タイムスクープハンター』(中尾浩之監督・脚本)毎週火曜日深夜0:10〜0:39 NHK総合Z(全8回)が好評放送中。
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