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アカデミー賞”落選”作品『ダウト』4人の演技合戦に瞠目

doubtmain.jpg『ダウト~あるカトリック学校で~』(C)2008 Miramax Film Corp All rights reserved.

 第81回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した『おくりびと』の勢いはうなぎのぼりで、公開から25週目に突入した2月28日~3月1日の週末には、並みいる新作映画をかわして興行ランキング1位に君臨。まさに”オスカー効果”がてき面で関係者は大喜びだろう。

 作品賞、監督賞ほか8部門を制覇した『スラムドッグ$ミリオネア』は4月公開のため、オスカー効果がどの程度表れるかはまだ未知数だが、こうした”アカデミー賞受賞”の恩恵にあずかることのできた作品がある一方で、ノミネートされたものの受賞できずに終わった作品があることも忘れてはならない。

 しかし、世界最大の映画の祭典アカデミー賞にノミネートされる作品には、そこに至る道のりにおいて、多数の映画賞で受賞、ないしノミネートを受けているものが多い。”アカデミー賞ノミネート”だけでも十分なクオリティーの裏づけになるのだ。受賞しなかったからそっぽを向くのではなく、ノミネート作品を残らずチェックしていくのも、映画ファンとしての楽しみの一つだ。

 3月7日より公開される『ダウト~あるカトリック学校で~』も、そんな作品の一つ。アカデミー賞では計5部門にノミネートされたが、受賞はゼロ。

 だが、この映画で特筆すべきは、5部門中4つが俳優のノミネートだったということ(残り一つは脚色賞)。メリル・ストリープが主演女優賞、フィリップ・シーモア・ホフマンが助演男優賞、そしてエイミー・アダムス、ヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞の候補になった。映画の主な登場人物はこの4人しかおらず、その全員がアカデミー賞候補になったのだから、その演技合戦は見応えたっぷりだ。

 映画の舞台は、ケネディ暗殺翌年にあたる1694年のアメリカ、ニューヨーク。さまざまな価値観が転換されようとしている時代を背景に、あるカトリック教会学校で、保守的で厳格なシスター・アロイシス(メリル・ストリープ)は、進歩的な考えを持つフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)が、12歳の黒人少年の生徒と”不適切な関係”にあるのではないかとの”疑惑”を抱く。その疑惑をめぐり2人は激しく対立するが、果たして真相は……?

 原作は、本作の監督・脚本を担当したジョン・パトリック・シャンリィによる、トニー賞とピュリッツァー賞をダブル受賞した舞台劇。主演女優賞にノミネートされたメリル・ストリープは、これで通算15回目のアカデミー賞候補となり、目下の史上最多記録保持者。05年に『カポーティ』で主演男優賞を受賞したホフマンも、これで3度目のノミネート。『魔法にかけられて』でもオスカー候補の呼び声が高かったアダムスも、05年『ジューンバッグ』(日本未公開)に続いて2度目のオスカー候補。室内劇を見ているようで映画的なダイナミックさはないが、アカデミー常連俳優たちの応酬は、緊迫した空気を生み出し、観客は息を呑むはず。

 特にストリープといえば、現在ヒット中の『マンマ・ミーア!』でコミカルに歌って踊って見せているが、こちらでは180度異なる威圧感たっぷりの堅物シスターを演じている。その変ぼうぶりはさすがの名優といったところで、2つの役のギャップを楽しむのも面白い見方だと思う。
eiga.com編集部・浅香義明)

『ダウト~あるカトリック学校で~』
『ダウト~あるカトリック学校で~』映画評
『マンマ・ミーア!』
『マンマ・ミーア!』映画評
『マンマ・ミーア!』メリル・ストリープ インタビュー

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最終更新:2009/03/07 16:00
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