『あらびき団』→『エンタの神様』で”無難”になる芸人たち
#テレビ #お笑い #あらびき団 #どぶろっく #エンタの神様
番組独自の芸人がずいぶん減り、最近は『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)や『あらびき団』(TBS)の芸人をそのまんま拝借している傾向が指摘される『エンタの神様』(日本テレビ)。特に、『あらびき団』では、番組中に「エンタの神様出演者養成番組」と語られたことがあったり、エンタに出演した芸人を「おめでとう!!」と褒め称えたりすることが度々あるほど。
そんななかでも大抜擢の出世頭となっている一組が、いま『エンタの神様』でトリを務める「どぶろっく」なのだが、これが『あらびき団』ファンを中心に、様々な声を集めている。「エンタでトリを務めるなんてスゴイ!」という喜びの声がある一方で、「エンタでは面白くないけど、あらびきの歌は好き」「エンタでは無難なネタにされちゃってたな」など、本来の力を出せていない……と惜しむ声も多いのだ。
というのも、彼らがこれまで『あらびき団』で披露してきた歌ネタは、どれも「女」に関する、実に小さく、いやらしく、下品で最低で、素敵なものばかりだったから。
「女、女、女、肘とか膝とか小さいな♪」とおそるべき細かな視点で切り取ってみたり、「バイト先の先輩にあたる人妻のエリさん やたらとボディタッチの多い」「気付いて欲しいよ 目尻のシワのいやらしさに」と匂い立つような生々しさを描いてみたりしているのに比べ、『エンタの神様』で披露されるものといったら、「おっさん」だったり「おばあちゃん」だったり、その描写もずいぶん大人しい。
にもかかわらず、エンタでは、こんなハイテンションで紹介されている。
「独自の着眼点を持つのは~この二人! 主観と客観のユニゾン『どぶろっく』の二人が、今夜は『おっさん』を歌い語る!!」
彼らの「独自の着眼点」を発揮するには、なんとしても「女」をこってりじっとりと描いて欲しいのに……。思えば、『エンタの神様』ではこれまでも、モンスターエンジンやガリガリガリクソンがなぜかすべらされたような空気になったり、アイヒマンスタンダードが冗長にやらされたり、エハラマサヒロが「ごっさこわー」とかいうヘンなブリッジを入れさせられたりしていた。やっぱりお客様が違うと、本来の力が出せないことも多いわけで、どぶろっくの「女」「下ネタ」はNGなの? 男性の共感の声が圧倒的に多いのに、メイン視聴者層を考えて、選曲を分けているということ? どぶろっくを直撃すると……。
「確かにそうです。エンタでは低い年齢層に楽しんでいただくため、『女』は今のところ封印しています。試しに『少女』で作ってみたんですが、逆に危険な作品になり、ボツにしました」(どぶろっく・江口直人さん)
平成16年9月結成、芸歴5年目という彼ら。このスタイルの芸を始めたのは『あらびき団』のネタ見せからで、メロディは3パターンあるというが、「女」を封印しているのは、番組側からではなく、あくまで「自主規制」らしい。
ところで、「女」のレパートリーはいったいどれだけあるんでしょう?
「『女』は8割強。曲数は女の数だけあります(15曲ぐらい)」
残念ながら、エンタでは登場しない「女」の歌。ボツになった危険な「少女」も、ぜひ『あらびき団』のほうで披露してほしいものだ。
(サイゾー公式携帯サイト「サイゾー裏チャンネル」より)
もはやひとつのジャンルとなった感のある『あらびき団』DVD。
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