サエキけんぞうが語る「地下アイドル」の魅力(前編)
#アイドル #音楽 #萌え #地下アイドル #水樹奈々
1980年にハルメンズとしてデビュー後、パール兄弟を結成。以降、ニューウェイブ、テクノポップサウンドでシーンを牽引し、また作詞家、プロデューサーとしても多彩な才能を見せるサエキけんぞう氏が、最近「地下アイドル」に傾倒しているとの情報をキャッチした! アイドル好きなら先刻承知だろうが、「地下アイドル」とは、メジャーシーンで活躍する一般のアイドルに対して、マイナーなシーン、とりわけ地下に所在するようなライブハウスを主戦場として音楽活動を展開するマイナーアイドルたちのこと。サエキ氏は現在のこの地下アイドルシーンを、「セックス・ピストルズに代表されるパンク・ムーブメントに匹敵する動きではないか」と分析しているのだ。
しかしながら、05年の「電車男」をはじめとする”アキバブーム”からはや4年。物珍しさから、地下アイドルなどのアキバ文化がメディアに多く取り上げられ世間的にブームとなってからも、すでに久しい。なぜ今、サエキけんぞうともあろうお方が「地下アイドル」なのか? 地下アイドルのどのような点が、かつてのパンクシーンに重なるのか? 本人を直撃した。
──いつから地下アイドルに注目されているんでしょうか?
「DIGICCO(01年から07年まで活動していた、キャンペーンガールユニット)のプロデュースを03年からやっていたので、もともと、いわゆる”地下アイドル”の存在自体は知っていました。で、08年の頭に、私が中京テレビで司会を担当している番組『ウキ→ビジュ』で地下アイドルを採り上げたのですが、そこでディアステージ(秋葉原のライブ、ヲタ芸イベントスペース。カフェ&バーも常設。サエキ氏がプロデュースする地下アイドル・古川未鈴も所属)に所属する女の子たちのパフォーマンスに衝撃を受けたのが最初です」
──彼女たちのどういった点が、かつての「地下アイドル」とは違っていたのでしょうか?
「基本的なパフォーマンスレベルが、一段階上がっていたこと。ただ優れている、というより、『エッジが立っている』という印象ですね。ディアステージで言えばダンスの上手さや歌唱力の高さだったり、他のアイドルに関して言えばゴスロリというキャラ付けだったり、アイドルなので当然いろんな性質があるんだけど、その切れ味が以前に比べて増していた。以前は確かに、『地下アイドル=イタい、ダサい』というイメージも妥当だったと思います。例えばCutiePai(作詞作曲、振り付けなどのすべてをメンバー自らがセルフプロデュースしている地下アイドルユニット)も、私は6年前からの付き合いなのですが、突然、一昨年くらいから明らかに切れ味が増していますね」
──”切れ味”とは、具体的にはどういったものですか?
「女の子たちが、自分たちの力で自己プロデュースしているところから発せられているものだと思いますね。ただ、私は最近の地下アイドルの動きをかつてのパンクムーブメントに比してはいるんですが、だからといって、パンクブームの時のような明らかに差異化が説明できる音楽性が、彼女たち地下アイドルがやっている音楽に観察できるわけではないという現状はあります。
そこでひとつヒントとなるのは、水樹奈々(今年1月に発売されたシングル『深愛』がオリコンデイリーチャート1位を獲得。幾度の武道館ライブも成功させている人気声優・歌手)の存在。曲のクオリティが非常に高いのですが、その音に負けない並外れた歌唱力、ダンス力、表現力を持っている。今までの歌謡曲アイドルを凌駕する才能がありながら、それらと同じ土俵に立つ気はなく、世間的な知名度を上げないまま、淡々と活動を続けている。そんな彼女の魅力に牽引される形で、地下アイドル全般のパフォーマンスレベルが上がっているのではないかと思います。従来のように、大きな事務所でぬくぬくと育てるという方法ではなく、女の子が自主的に鍛錬しなければ、おそらくここまでの切れ味は出ないんじゃないかな」
(後編に続く/取材・構成=岡島紳士)
●ライブ告知
NEOアイドルフェスティヴァル TOgether
萌芽寸前!今これを見なければヤバい
femme fatale from TO-MEI-HAN
サエキけんぞうプロデュースによるアイドルイベント。東名阪から名だたる地下アイドルが集結! 当日は、氏がプロデュースしたディアステージ専属のアイドル古川未鈴による楽曲もお披露目される予定。公式サイト<http://www.together-saeki.com/>
特別ゲスト/桃井はるこ
ゲスト/Cutie Pai
東京/ディアステージ・オールスター
大阪/マリードール
名古屋/Mizuka 星崎なみ 城奈菜美
DJ/ギュウゾウ(from 電撃ネットワーク)
開催/2月28日(土) 14時開場 15時開演 19時終演予定 20時物販終了
場所/東京キネマ倶楽部
チケット/前売3500円、当日4000円(共に、ドリンク別500円)
●サエキけんぞう
さえき・けんぞう 1958年、千葉県生まれ。80年、ハルメンズとしてデビュー後、パール兄弟を結成。モーニング娘。のインディーズデビューシングル「愛の種」など、多数のアイドルの作詞を手がけるほか、テレビタレント、プロデューサーとしても幅広く活動している。公式サイト<http://www.saekingdom.com/>
アニメ『WHITE ALBUM』OP。
【関連記事】 現役女子高生モデルの波瑠は、激美人な上に男前キャラ!?
【関連記事】 スーパーアイドル・みひろが語る演技、AV、家族、処女小説
【関連記事】 「本当に楽しかった」解散を控える”もうひとつのPerfume”
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事