「誰も知らなかった『R-1』ファイナリスト」鬼頭真也の素顔に迫る!
#お笑い #R-1ぐらんぷり
2月17日に行われたピン芸人日本一を決める『R-1ぐらんぷり2009』(フジテレビ)で、俳優として史上初のファイナリストに輝いた鬼頭真也(夜ふかしの会)さん。速いテンポで次々に本の内容を紹介していくという異色のネタで爆笑を巻き起こし、見事決勝7位という結果を残しました。それにしても、彼はいったい何者なのでしょうか? R-1決勝の翌日にご本人を直撃! クールな外見の裏に潜む意外な素顔に迫ります。
――まずはR-1、お疲れ様でした! 終わった直後の今のお気持ちはいかがですか?
「いい経験ができたなっていう感じですね。決勝が決まったときは決まったときで単純にうれしかったんですけど、やり終えてみるといろいろ反省点は出てきます」
――決勝当日のことについてお聞きしたいんですが。本番前の楽屋の雰囲気はどうでしたか?
「準決勝までと比べると、そんなにピリピリはしていなかったかもしれないですね。皆さん割と温かく話しかけてくれたりもして。楽しかったですよ」
――決勝に進んだ芸人さんの中で、もともとお知り合いの方はいたんですか?
「同じライブに出たことがあって顔見知りだったのは、鳥居みゆきさん、サイクロンZさん、岸学さん。だから、記者会見のときには、鳥居さんの顔を見てちょっと安心しましたね。鳥居さんを見てほっとするっていうのは、なかなか珍しいパターンかもしれないですけど(笑)」
――鳥居さんとは決勝当日にも会話を交わしたんですか?
「そうですね。決勝の日に楽屋に入ったら、鳥居さんがいきなり僕のところにやって来て、『天狗か! もう天狗か!』って言ってきて(笑)。どうやら鳥居さんが入り時間を勘違いしてたらしくて、なんで遅刻したんだ、と責められたんです。まあその誤解はすぐに解けましたけどね」
――ネタをやるときには緊張しませんでしたか?
「もちろん、緊張はしましたよ。でも、思ったよりはガチガチにならなくて良かったです」
――ネタが終わって、ご自分の点数が出た瞬間には何を思いましたか?
「うーん、それがよくわかんないんですけどね。たしか全員が90点台で、まあ、低くはないけどトップではないなあ、って思ったくらいですかね」
――本番終了後には打ち上げみたいなものはあったんですか?
「それが、何もなかったんですよ。次の仕事がある人とかはものすごい勢いで帰ってましたけど、僕だけは本の片付けが残っていて(笑)。どうしようかってみんなで考えて、仕方ないので段ボールをもらって、箱詰めして送ることにして。結局帰ったのはいちばん最後でしたね」
――ゴールデンタイムの番組に出たということで、周りの反響はすごかったんじゃないですか?
「それはすごいですね、やっぱり。でも、思っていた以上に、友達からのダメ出しメールに腹が立つ(笑)。テンポをもうちょい考えればよかったんじゃないの、みたいなことを言われたりして。まあ、それもあながち的外れでもないからこそ腹立つんでしょうね」
――今回披露したのは本を使ったネタでしたが、読書はもともとお好きなんですか?
「いえ、マンガは好きですけど、実は本はあんまり……(笑)。あんまりどころか、人並み以下でしょうね。読もうと思っても、全体の10分の1くらいで止まっちゃうんですよ」
――あのときに用意していた本は全部ご自分のものですか?
「いえ、図書館で借りてる本も結構ありました。予選1回戦からやっていたので、返却期限が来る前に返しては借りて、返しては借りて、というのを繰り返して。面倒でしたけど、お金がなかったので。そもそも決勝まで行くとは思ってなかったですからね。次にネタをやる時までには買い揃えますよ」
――次に、鬼頭さんの経歴についてうかがいます。まず、鬼頭さんが所属している「夜ふかしの会」について教えていただけますか。
「簡単に言うと、舞台でコントをやるユニットです。僕以外は全員、コンビ解散などを経験している芸人の集まりなんです。仲間内では『芸人墓場』なんて呼ばれてますけどね(笑)。岡田幸生という作家が主宰していて、定期公演を年に3回やっています」
――鬼頭さんがこの世界に入ったきっかけは何だったんですか?
「初めは『動物電気』という劇団でお芝居をやっていました。演出助手として入って雑用をしていたんですが、ある日チラシを見たら自分の名前が載っていて。そこで初めて自分が出るということを知ったんです。それでちょこっと出て、そこそこウケたんですね。僕のピークがそこだったとよく同じ劇団員には言われます(笑)。あれは今思えば、ビギナーズラック的なものだったのかもしれないですね。それから役者をやるようになりました」
――鬼頭さんは5年ほど前に約1年間、お坊さんとして修行をしていたという経験もあるそうですが……。
「そうですね、いわゆる売れない俳優や芸人って、みんなバイト生活をしているじゃないですか。それなら寺で修行したっていいんじゃないか、と思ったんですよね」
――実際にはどういう生活でしたか?
「まあ、一種の軟禁みたいなものです(笑)。外との接点はまったくなくて。テレビや新聞も一切見てませんでしたからね」
――約1年間の修行を終えて、日常に戻ってきたときはどんな気持ちでしたか?
「出てきたときの雰囲気は、相当変な感じだったといろんな人に言われましたね。言葉遣いは丁寧なのに、何かやってやるぞ!っていう欲望がどんどんわいてきて。物腰柔らかいのにギラギラしている、という妙な感じになりました(笑)」
――最後にお聞きしたいんですが、来年もR-1には出場するつもりですか?
「そうですね、一応チャレンジはしたいと思っています。本のネタ以外に新しいネタを作って挑戦したいですね。あと、俳優としてもいろんな映画やドラマに出てみたいと思っています。よろしくお願いします!」
(取材・文=ラリー遠田)
●きとう・しんや
俳優。00年より08年まで劇団「動物電気」に参加。コントユニット「夜ふかしの会」での活動や08年『R-1ぐらんぷり2008』2回戦進出などお笑いの世界でも頭角を現し、『R-1ぐらんぷり2009』では3400人の予選を勝ち抜き決勝に進出した。78年、東京都生。
●夜ふかしの会コントライブ『火だるま』
http://www.yofukashi.jp/
【公演日時】
2009年3月13日(金)20時~
14日(土) 14時~ 17時~ 20時~
15日(日) 14時~ 18時~(14時~イベント有)
【出演】
鬼頭真也 原慎一 三宅知明 鈴木ちるど 砂川禎一朗 大重わたる
【構成演出】
岡田幸生 内田崇文
【場所】
新宿シアターモリエール
【料金】
2000円(前売・当日共に)
学割1500円(要予約・当日受付にて学生証提示)
【チケット】
チケットぴあ(Pコード:392-846)
一昨年も熱戦でした。
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