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【副島隆彦×佐藤優】アメリカ・ドル崩壊後の世界を予言する!

satousoejima.jpg『暴走する国家 恐慌化する世界』
日本文芸社

 昨年12月に発売された『暴走する国家 恐慌化する世界』(副島隆彦・佐藤優/共著)が話題だ。

 副島隆彦と佐藤優。このふたつの巨大なインテリジェンスを最初に引き合わせたのはサイゾーだった。大きな反響を呼んだ昨年の「サイゾー9月号」での処女対談を、今一度振り返ってみよう。バラク・オバマの大統領当選、米ドルの崩壊、世界的な経済恐慌……来るべき近未来を、彼らは明確に予知していた。(以下、「サイゾー」2008年9月号より再掲)

 * * *

副島隆彦×佐藤優の処女対談
世界を裏で操っているのは誰だ?

 サブプライム問題に端を発する世界的な株安は日本経済をもろに直撃しているが、これに対応するはずの次期大統領有力候補・オバマ氏は、実はロックフェラーに操られて、さらに市場を破壊しようとしている!?

 注目の米大統領選から世界の経済情勢、北方領土問題の解決が急がれる日ロ関係までを、意外にも初対面だという、インテリジェンスのプロフェッショナル副島隆彦と佐藤優の2人が見通す。

佐藤(以下、佐) アメリカの民主党大統領候補選に関し、副島さんが2007年4月時点で、「バラク・オバマ氏が民主党大統領候補となる」と決め打ちしたことには驚きました。日本で一番早い予測だったのではないかと思います。しかも、なおかつ「私には見えるのです」とおっしゃっていた。これはすごいですね。それこそが、現実の情勢を正確に見通すという「インテリジェンス能力」です。副島先生の今回の的確な予測は、他の人がいろいろと留保をつける中で、非常に突出していました。

副島(以下、副) 私には、バラク・オバマが民主党大統領候補に選ばれるということが、4年前からわかっていました。ディヴィッド・ロックフェラー(ロックフェラー家当主/93歳)がそう決めて、彼を抜擢したからです。彼らニューヨークの金融財界人の意向が大きく働いて、「これでいくぞ」と4年前に決められた。大統領選挙といっても、そうした金融財界の親分衆が「今度は誰を立てるか」によって決まります。これからの8年間は、共和党ではなくて、今度は民主党にやらせる、というのが彼らの筋書きです。わかりやすいでしょ。アメリカのデモクラシー(民主政治)なんて形だけなんです。ヒラリー・クリントン候補が今年6月まで撤退しなかったのは、背後でネオコン派とイスラエル・ロビーが必死に支援していたから。結局、それらの勢力の争いだったわけです。11月4日に実施される大統領選挙の本選挙でも、共和党のジョン・マケイン上院議員が当選することはないと予測します。

 では、オバマが大統領に選ばれたら今後のアメリカはどうなるでしょうか? 

 細かい理由はここでは説明しきれないので、私の著作などを読んでいただきたいのですが、アメリカ経済はこれからリセッション(景気後退)、そして大不況に突入します。貧困層による暴動も起こるでしょう。そのときの貧民の多くは有色人種です。暴動を阻止するのに最も効果を発揮するのは、オバマの肌の色ということになります。黒人大統領が飢えた人々に向かって、平静と団結を呼びかけることになる。オバマが大統領になったら何をやるかというと、まず大規模な公共事業をやるでしょう。ニューヨークの金融財界人たちも賛成しています。オバマ政権は財政出動をし、減税を行い、景気浮揚策を取ります。「ドルの切り下げ」宣言もやるし、福祉政策も強化します。

 また、サブプライムではない健全な住宅ローンであるプライムローンを払えなくなった人たちが、差し押さえを受けるのを阻止するために、5兆ドル(500兆円)ぐらいの巨額の公的資金をつぎ込むでしょう。いや、さらにこの4倍を出すかもしれない。

 そうすると、連邦政府は巨額の借金をさらに積み増していくことになります。国家の借金証書である米国債をものすごい勢いで発行します。それをFRB(米連邦準備制度理事会)が引き受けます。FRBがドルを刷って、アメリカ財務省に与える。これを次々に破綻する大銀行群の救済に回したり、公共事業や福祉政策を行うと、ドルがものすごい勢いで市中に増えます。その結果、ドルの価値は大きく下落し、1ドルが30円くらいまで落ち込む。ニューヨークのダウは、1万ドルを割って7000ドル台まで下落していくでしょう。

 今のベン・バーナンキFRB議長はその日のために計画的に選ばれた人物です。彼はヘリコプター・ベンと呼ばれている。ヘリコプターからドルのお札を撒き散らかすかのように、いざという時のためにドルを大放出する通貨政策を実行するとみられているからです。そうした中で私の予測では、12年には、アメリカの大銀行や証券・保険会社が30ほども潰れて、IMF体制、つまり金・ドル本位体制は終結します。

 私は、オバマが大統領になった場合、ヨーロッパにおける受け止めに関心を持っています。アメリカでは、黒人が大統領になることについては、一応、過去にあった抵抗感がなくなったと言ってよいと思います。しかし、ヨーロッパは、冷戦終結後、むしろ過去に回帰している面がある。

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最終更新:2009/02/06 18:00
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