ハーフブームももう終わり? 女子カルチャー衰退の要因を徹底分析!
宝島社の「sweet」に代表される青文字系雑誌(※1)の勢いが、「CanCam」などの赤文字系雑誌を抜くなど、女子カルチャーはこの1年で驚くほど急激に変化してきた。
思い返せば、ギャル系雑誌「egg」が創刊され、社会現象とまで言われたギャル文化を創り出したのが1995年のこと。その後、「JJ」の”神戸系エレガンス”が大ヒットしたかと思えば、「CanCam」の”東京エレガンス”は専属モデルの蝦原友里の人気とも相まって社会現象となり、発行部数70万部を超すモンスター雑誌に成長した。しかしそんな「CanCam」も、「ViVi」の勢いに押され、半年と経たないうちに発行部数が約半分ほどまでに落ち込んだと言われている。
このような、女子カルチャーの急激な変化の裏にあるものはいったいなんなのか。また、今後女子カルチャーはどこへ向かおうとしているのか。「egg」や「smart girl」の創刊に携わり、日本の女子カルチャーを最前線で見つめてきた編集者兼フォトグラファーの米原康正氏に話を伺ってみた。
今や「CanCam」の誌面はオヤジ雑誌のグラビアに見える
――この1年の女子カルチャーの急激な変化を、米原さんはどのように見ていますか?
米原 「CanCam」は、もうアレは自滅だね。男にモテる事を追及していって、行き着いた先が今のオヤジ雑誌のグラビアみたいな誌面でしょ? なんて言うか、男性のエロ本みたいになっているよね。今は勢いのある「sweet」も、遅かれ早かれ同じような運命をたどると思うよ。日本の場合、ストリートに生まれたブームがカルチャーになる前に、オヤジ達の商業主義に飲み込まれて消えていっちゃうんだよ。だからカルチャーが根付かない。
――それは、具体的にはどのような現象なのでしょうか?
米原 たとえば、「egg」のつくったギャル文化の場合、その本質的なカルチャーが広まる前に、「援助交際」みたいな下世話な部分ばかりがマスコミに取り上げられて、広まっていってしまった。それで地方の子なんかは、ギャル=”エンコー”してオヤジ相手に売春しているのがカッコイイみたいな、歪んだ情報を鵜呑みにしてしまったんだ。実際にはエンコーなんてしている子、東京にはそんなにいなかったのに。そのせいでギャル文化は社会問題のように扱われ、廃れていってしまった。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事