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アカデミー賞のノミネートが発表 オバマ政権誕生の影響は?

bb_sub.jpg(c) 2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved.

 第81回アカデミー賞のノミネートが発表された。作品賞にノミネートされたのは、次の5本。(作品名に続いて、日本での公開時期と配給元)。

『ベンジャミン・バトン/数奇な人生』……2月7日(ワーナー・ブラザース)
『フロスト×ニクソン』……3月(東宝東和)
『ミルク』……GW(ピックス)
『愛を読むひと』……初夏(ショウゲート)
『スラムドッグ$ミリオネア』……4月(ギャガ)

 昨年12月のナショナル・ボード・オブ・レビューから1月11日のゴールデングローブ賞までの結果からすれば、実に順当で、なおかつバラエティに富んだ5作品が残ったと言える。ちなみに、昨年の作品賞候補は以下の5本だった。

『つぐない』
『JUNO/ジュノ』
『フィクサー』
『ノーカントリー』
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

 今思えば、恐ろしく地味だ。それに引き替え、今年のノミネートは豪華に見える。まず、『ベンジャミン・バトン』のようにブラッド・ピットとケイト・ブランシェットというビッグスターが競演するファンタジーがある。『フロスト×ニクソン』のように、舞台の映画化にして、実在した大統領にまつわる政治ものがある。『ミルク』もまた、ハーベイ・ミルクというゲイの活動家で政治家の話だ。また、『スラムドッグ$ミリオネア』のように、インドを舞台に英国人監督(ダニー・ボイル)が撮った小品ながら、トロント国際映画祭から火がついて今年の賞レースの台風の目になった勢いのある作品もある。『愛を読むひと』は、ドイツのベストセラーを『リトル・ダンサー』のスティーブン・ダルドリー監督が映画化した文芸作品だ。

 昨年初頭の、全米脚本家組合のストライキの影響を受けながら、粒揃いの5作品が残ったと思う。

 100年に一度という不況の中、初の黒人大統領の誕生に沸くアメリカで行われる映画の祭典は、どんなシナリオが用意されているのだろうか? 一連の大統領選から就任式までの祝祭的な流れで行けば、アカデミー賞も派手なものになろう。

 作品賞は、スターも出ている『ベンジャミン・バトン』が相応しいかも知れない。だが、初の黒人大統領が誕生したことから考えると、エスニックな『スラムドッグ$ミリオネア』でも面白い。もしもこうした低予算のインディペンデント作品がオスカーを取るようなら、ハリウッドの超大作主義に冷水を浴びせることにもなる。

 注目の授賞式は、日本時間で2月23日の午前中に始まる。
(eiga.com編集長・駒井尚文)

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最終更新:2009/01/27 18:25
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