タイタニックの黄金カップル再演『レボリューショナリー・ロード』
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あの『タイタニック』の”永遠のカップル”、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが11年ぶりに再共演を果たした映画『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』が、1月24日より公開される。『タイタニック』で世界中を涙の海に沈めた2人だが、今回も同じような甘いロマンスを期待していくと手痛い目にあう。
今回の2人は、幸せなはずだった夫婦が次第にすれ違いを生じさせていき、文字通り夫婦関係が”燃え尽きるまで”を演じきっている。もし『タイタニック』の2人が結婚し、こんな結末を迎えたら……なんて想像すると、それはそれで面白いのだが、映画はひたすらシビアで笑える代物でもない。
舞台は経済成長の盛んな1950年代のアメリカ。若く美しい新婚カップルのフランク(ディカプリオ)とエイプリル(ウィンスレット)は、郊外の閑静な住宅に住まい、2人の子どもにも恵まれ、幸せそのものに見えた。しかし、男は家族を養うための単調な会社勤めに、女は女優になる夢を捨てて家庭に入ったことに、それぞれが「これでいいのか」「自分はこんなはずじゃなかった」と悩み始める。
冒頭で若い2人が初めて出会い、恋に落ちる甘いひと時が描かれたのも束の間、次の場面ではすでに血管の切れそうな怒鳴りあいのシーンに突入。また、途中に一度は夫婦仲が再燃し、ラブシーンに突入するのだが、欲望のままに激しく、ここでも甘いムードとは無縁。劇中、何度となく繰り返される夫婦の修羅場、他人事だと思えないあなたは要注意かも。
監督は『アメリカン・ビューティー』でアカデミー賞を受賞したサム・メンデスで、ケイト・ウィンスレットの夫でもある。ケイト自らが、夫のメンデスにディカプリオを推薦して実現したというこの映画だが、夫の前でも堂々とラブシーンをやってのけたケイトの演技は絶賛され、アカデミー賞主演女優賞も有力視されている。
何もかもが満たされているはずなのに、満たされない空虚な心。舞台は50年代といえど、現代にも通じるテーマに加え、男の観客はフランクに、女の観客はエイプリルに、それぞれ共感できる点もあるだろう。バレンタインもそろそろ近いこの季節だが、あまりデートにお勧めする映画ではない。どちらかと言えば、ひとりでじっくりと鑑賞し、いろいろと見つめなおすきっかけにしてみてもよいかも?
仮にこの映画を見た直後にプロポーズできる男子がいたとしたら、それはそれで尊敬しますが。(eiga.com編集部・浅香義明)
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』映画評
監督はアカデミー賞常連。
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