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本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」Vol.09

襲撃事件の裏は…吉本に迫られる「中田カウス切り」の決断

yoshimototokyo.jpg08年に移転した吉本興業東京本社

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 吉本興業の元特別顧問で漫才師の中田カウスが、何者かに金属バットで襲撃されるというショッキングな事件が起こった翌日に、カウスが出演していた吉本経営の大阪・なんばグランド花月に”もう、中田カウスを出演さすな。このまま、いつまでもカウスを辞めさせんかったら、今度は客に火の粉がかかるぞ”という第2の犯行をほのめかすような脅迫電話が入ったという。当事者のカウスはもちろんのこと、吉本の上層部の脳裏に浮かんだのは、お家騒動だ。

「創業家当主の林マサ未亡人はいまだにカウスを恨んでますからね。しかし、こんなことしても、何の解決にもならない。困った状況ですよ」と、吉本のある幹部は筆者にため息をついた。

 犯人を断定することはできないし、創業家との関係があるとはいえない段階だが、今回の”カウス襲撃事件”が一昨年に勃発した吉本の創業家と現経営陣のお家騒動が無関係とは思えない。しかし、その騒動の本質は、創業家と経営陣ではなく、創業家とカウスの争いだったのだ。

 そもそも、ことの発端は、カウスがマサさんの夫で、元吉本の社長だった故・林裕章さんに可愛がられたことだ。実績もないカウスが、吉本の特別顧問に就任できたのは故・林さんのおかげだ。つまりは、創業家の後ろ盾があったからだ。ところが、林さんの死後、カウスは手のひらを返すように創業家に寄り付かなくなった。不安を感じたマサ未亡人が、カウスの後援者であった元暴力団で実業家のM氏に、現経営陣との話し合いを依頼したことから、お家騒動が勃発。週刊誌誌上で、マサ未亡人とカウスのバトルが展開された。そこでは、お互いに山口組との深い関係を暴露しあった。

 その時点で、吉本は双方を切り捨てるべきだった。吉本がその昔、山口組と共存共栄の関係だったことは否定できない事実。しかし、時代が流れ、芸能が産業として社会的に認知され、上場までも果たした段階で、暴力団との黒い交際は断ち切るべきだったのだ。

 ところが、故・林社長は関係を断ち切れず、マサさんまでも元暴力団に創業家の代理人を依頼した。カウスもまた、マサさんが指摘したように山口組5代目の名前をチラつかせながら、芸人たちを威圧してきたのは紛れもない事実だ。

 吉本はいまや、関西だけでなく、東京のお笑いを界も牛耳る存在になっている。関西人は鷹揚かもしれないが、東京の人間は暴力団との黒い交際については非常に敏感で許さない。そのことを肌で感じているからこそ、東京吉本のスタッフは、黒い交際を根絶しようと努力してきた。創業家とカウスの黒い交際が明らかになった以上、双方との関係を断ち切るという勇気ある決断を経営陣はいち早くすべきだったと思う。

 うやむやにしたことで、恨みが残り、今回のような事件が起こった。おそらく、今回の事件を起こした犯人はカウスに致命的なダメージを与えるまで、卑劣な手段に打って出ることは想像に難くない。吉本が暴力に屈するべきではないのは当然だが、その前に、お客やスタッフに火の粉がかからぬよう勇気ある決断を期待したい。
(本多圭)

山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか

吉本と山口組……ある意味最強タッグです。

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最終更新:2009/01/29 14:08
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