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日刊サイゾー トップ > 社会  > 再び「どなたが失禁?」F1日本GP訴訟第四回傍聴記
二次訴訟も開始──

再び「どなたが失禁?」F1日本GP訴訟第四回傍聴記

curry1000.jpgFSWは食事もたいへん不評。写真の「具ナシ」カレーライスは1000円也。

 2007年9月に富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリのずさんな運営により、「劣悪な環境の中、長時間のバス待ちを余儀なくされ、精神的苦痛を受けた」として観客109名が富士スピードウェイ(以下、FSW)に対し損害賠償を求めた裁判(記事参照)の第四回口頭弁論が、12月18日1時30分より東京地裁709号法廷で行われた。

 原告は原告第二準備書面にて、原告109名それぞれのバス待ち時間、レースなどイベント参加の可否、トイレを我慢したなど、窮状の詳細を表にして提出した。

 被告は原告第一準備書面に対し、被告第二準備書面にて反論を行った。そこで改めて原告に対して被害を整理、明確に主張せよ、そうすれば必要な限度で改めて対応すると述べた。被告が責任逃れのために主張した「想定を超える悪天候」について、原告が「降水量が極めて少なかった」と主張したことに対して気象庁発表の降水量データを基に反論。開催3日目は31mmだったことから「少なくない」と述べた。シャトルバスの混乱がはじまったのは開催2日目からであり、2日目の降水量はわずか5mmだったが、これについては触れなかった。

 来場者に関しては「防寒具の備えも十分ではない軽装のものが多い」「スカートにハイヒールという都会並の服装をした女性も少なからずいた」と、原告を暗に批判した。

 前期日にてC席チケット一部返金の確認を行った被告だが、今回C席チケット一部返金対象者については「チケット代金の二重請求をしている」と指摘し、自発による善処を求めた。しかしそもそもC席仮設スタンドからコース上のF1カーが見れなくなった経緯については触れられていない。

 被告は改めて原告個別の被害を明らかにしてからではないと認否しないという態度を崩さず、全体の状況から認否できるはずだという原告の主張と平行線をたどった。被告は原告番号1番を例にあげ、開催2日目のバス待ちは「たった30分」であり、予選、決勝レースも観戦できていることから、損害に当たらないとした。そして開催3日目、原告番号1番はバスを6時間待って午後10時に乗車したと主張しているのに対し、被告はバスの最終発車時刻は午後9時頃だったと主張し、裁判を通して初めて否認の理由を示した。いずれにしても5時間は待っているのだが……。

 これらを受け、次回期日までに原告は表をさらに工夫をして不法行為の要素をしぼり問題点をより明確にすること、被告はバスの最終発車時刻について立証、資料・文書を提出することとなった。

●26名の原告団を結成した二次訴訟も開始

 この翌日、26名からなる二次原告団による二次訴訟の第一回口頭弁論が東京地方裁判所510法廷で行われた。担当する裁判体は異なるものの、原告弁護団、被告弁護団ともに同じ顔合わせとなった。ここでは先行して行われている一次訴訟を総括するかのような激しいつばぜり合いで幕を明けた。

 被告は改めて被害がそれぞれ違うはずなのにそれを明らかにしていないこと、訴状が一次訴訟とまったく同じで工夫や努力がみられず、一次訴訟と同様、議論は空転を繰り返すと原告を批判した。さらに一次訴訟と同じく「失禁したものもあるが、誰が失禁したんですか」と指摘、たとえ原告Aが失禁したとしても「被告は知りません」という不知の認否しかしないことを明らかにした。

 これに対して原告は「トイレにいけなかった、バスを長時間待たざるを得なかった、レース途中で止む無く席を立たざるを得なかった状況を作り出した大きな状況はなんだったのか、これを明らかにした上でないと、個別の被害、苦痛が明らかにできるはずがない」と反論。さらに一次訴訟で原告の状況を事細かに表にして提出しているにも関わらず具体的認否がないことから、「たとえ個別の被害を明らかにしたとしても、被告は不知(知らない)という認否しかしないではないか」と被告の姿勢を厳しく批判した。

 これを受け、裁判長は原告に対して原告の被害がわかる工夫をすること、被告に対しては認否することを求めて閉廷した。

 一次訴訟の次回弁論は2月17日、二次訴訟の次回弁論は2月13日、東京地裁で行われる予定。

週刊 東洋経済 2008年 12/20特大号

「自動車全滅!」

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最終更新:2009/01/15 15:00
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