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もうひとつのニッポンスポーツ史『在日アスリート列伝』(後編)

maedaakira000.jpg前田日明氏も在日を公言しているひとりだ。

前編はこちら

「最も大きい理由のひとつとしては、体格、骨格の違いですね。今でこそ日本人と韓国人との体格差はそれほどでもなくなりましたけれど、昭和40年代ぐらいまでは明らかに体格の違いがありました。スポーツにおいて体が大きいというのは、非常に有利です。そもそも、その差がどこから出てきたかといえば、やはり食文化でしょう。朝鮮半島ではずっと肉食をしていましたが、日本には伝統的に肉食習慣はありませんでしたからね。それが究極的にはスポーツ選手のフィジカルの差になって表れたといえるでしょう」(前出・康氏)

 そしてもうひとつの大きな理由は、差別によって日本社会の一員となれなかったことが大きいという。

「私自身も小さい頃から、『在日は日本の会社に就職できないから、大人になったら自分の力でどうにかするべきだ』と、年中親に言われていました。つまり、差別が今よりも明確にあった時代は、在日の進むべき道がなかったんです。しかし、なんとかして生きていかなくちゃならない。そんな時代背景の下、在日が仕事にありつける場所といえば、芸能界、スポーツが主だったんです」

 かつての日本社会に横たわっていた根強い差別意識の影響もあり、在日は己の力だけでのし上がれる世界しか進むことができなかったのだ。

最終更新:2010/03/30 19:33
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