名優ポール・ニューマンの遺作となった『ミーアキャット』
#海外 #映画 #動物
正月休みもあっという間に終わり、憂うつな気分から抜け出せないという人も多いと思うが、そんな時こそ映画館で映画をみて気分転換といきたい。
今年の干支は丑(牛)なので、それにちなんだ映画を……といきたいところだが、残念なことに牛に関する映画がない。しかし、なぜか年明け早々に動物に関する映画が立て続けに公開されるので紹介する。
1本目は、そのものズバリ『ミーアキャット』(1月10日公開)で、アフリカのカラハリ砂漠に生息するミーアキャットを追ったドキュメンタリー映画だ。
後ろ足をピーンと張って2本足で大地に立つ、独特のポーズがほほえましいミーアキャット。成長しても体長30センチ足らずと小さな動物ながら、鋭い牙でサソリを狩って食べたり、縄張り争いも激しいなど、たくましい一面も。また、必ず群れで生活し、”家族”の結束も固いというミーアキャットの生態を、『ディープ・ブルー』『アース』といった大ヒットドキュメンタリー映画を手かげてきたスタッフが撮影。ナレーションは昨年惜しくもこの世を去った名優ポール・ニューマンが務めており、映画ファンは、彼の最後の仕事という点でも注目したい1本だ(日本語吹替え版は三谷幸喜。字幕版鑑賞希望の方はお間違えのないように)。
余談だが、正月にNHKで放送されていた動物番組「ダーウィンが来た!」の特番で、08年に取り上げた動物たちの人気ベスト20をやっていたのをたまたま見たのだが、1位がミーアキャットで、映画公開とあまりにタイミングがぴったりで驚いた。今年はミーアキャットのブームが来る……のかどうかはわからないが、もしあの番組を見てミーアキャットが気になっている人がいたら、映画でたっぷりとその魅力を堪能してほしい。動物ドキュメンタリーは老若男女に受けるのか、昨年も『アース』が同時期に公開で興行収入24億円とヒット。『ミーアキャット』もその流れで今年のヒット作になるかもしれない。
そしてもう1本の動物映画は、『きつねと私の12か月』(1月10日公開)。こちらはフィクションドラマだが、アカデミー賞を受賞した動物ドキュメンタリー『皇帝ペンギン』のリュック・ジャケ監督の作品で、野生のキツネの巣穴にカメラが潜り込んだり、天敵との追走劇を追いかけたり、餌の捕獲シーンをとらえたりと、かなりドキュメンタリーに近い撮影も見られて面白い。
物語は、アルプスの大自然に囲まれて暮らす少女リラが、野生のキツネをテトゥと名付け、移ろう四季の中で共に時間を過ごしていく様子が描かれる。野生ゆえに当初はリラを警戒していたテトゥも、次第にリラとの距離を縮めていくのだが……。
小さな体で厳しい環境を生き抜く『ミーアキャット』に、「今年も頑張ろう」という気持ちをもらうも良し、スクリーンに広がるアルプスの大自然が気持ちいい『きつねと私の12か月』でリラックスするも良し。正月明けの悶々とした気分を、動物映画でほぐしてみては?
(eiga.com編集部・浅香義明)
作品の詳細は以下より。
『ミーアキャット』
『きつねと私の12か月』
ディープ・ブルー -スタンダード・エディション- [DVD]
ネイチャーものの金字塔。
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