光GENJI脱退、離婚、仕事の不振…「衝撃自伝」を直撃!
#ジャニーズ #インタビュー #光GENJI #吉田豪 #大沢樹生
●諸星くんの自伝に書かれた逸話の真偽
──素朴な疑問なんですけど、たとえば、ほかのジャニーズ本とかって読んだことあります?
【大沢】 いや、一冊もないです(あっさりと)。
──興味なさそうですよね(笑)。
【大沢】 ないですね。テレビも観ないし、最近のジャニーズのタレントもわかんないです。
──後輩との交流もそんなになさそうですね。
【大沢】 特別なかったですね。特に私生活では。僕が16~17歳ぐらいのときに、男闘呼組の岡本健一君を六本木に連れてったのがジャニーさんにバレて、ものすごい怒られたんですよ。「You、何考えてんだ!」って、ハンパじゃない、見たことないぐらいの怒り方で。
──ダハハハハ!(笑)そういえば、元光GENJI・諸星和己さんの名著『くそ長~いプロフィール』は知ってますか?
【大沢】 いや、今回の本の担当編集者から自分の名前が出てくるところに付箋を貼って渡されたから、そこをちょっと確認したぐらいで。ちゃんと読んでないからなんとも言えない。
──面白いですよ。1行目から、子どもの頃に住んでた家が鉄砲水で流された話で(笑)。
【大沢】 嘘だろ、それ(笑)。聞いたことない。
──なかなかこんなつかみはないですよ(笑)。「ふと窓の外を見たらそれまでの景色と変わっていて、死ぬほど驚いた」って、そういうインパクトがあるエピソードばかり詰まってて。
【大沢】 あ、そうなんですか……(あっさりと)。
──まったく興味なさそうですけど(笑)。帽子にチ○コの落書きされて、少年隊の植草克秀さんと「紅白」の控室で殴り合いしたら、北島三郎さんに止められた話とか最高ですよ!
【大沢】 それも記憶にないから、フィクションなんですかね。でも、自伝本なんですよね?
──もちろん自伝ですよ!
【大沢】 フィクションの自伝?
──僕はそれについては知らないです(笑)。
【大沢】 登場人物の設定が架空(笑)。
──じゃあ、ホテルが狭いって理由で諸星かーくんが壁に穴開けた話とかも、まさか……。
【大沢】 いや、そんなこと実際にやってたらヤバいでしょ。できるわけないじゃないですか。
──部屋中に消火器ぶちまけて部屋を真っ白にしたとか、まるで全盛期のストーンズみたいでカッコいいなあと思ってたんですけど……。
【大沢のマネージャー女史】 どう考えてもできないよね(あっさりと)。
──ダハハハハ! 無理ですか(笑)。
【大沢】 行動を共にしてて、それぐらいのことがあったらかなりのインパクトですから、普通だったら僕も覚えてるはずなんですけど、覚えてないってことは……ね? たぶん僕がいないときの出来事だったんでしょうね(笑)。
──コンサート中、諸星かーくんがミスをしたマネージャーにキレて、3人病院送りにしたって話もあって。
【大沢】 あ、それは本当です(あっさりと)。
──じゃあ、白タクの話はどうですか?(編註/ファンが白タクに乗って、光GENJIメンバーを追いかけ回していたという話)
【大沢】 ああ、白タクはひどかったですけどね。
──あんまりしつこく追い回すから、諸星かーくんが白タクの運転手をボコボコにしたら、その運転手が事務所に来て、マネージャーさんをボコボコにしたって話がありますね。
【大沢】 白タクは、あいつらヤクザですからね。僕はカメラ小僧の車をボコボコにしたことはありますけど、白タクは相手にするなってことで。
●30代からの10年間は男として戦う年代
──冷静ですよね、大沢さんは(笑)。今日はジャニーズの関連本も大量に持ってきてまして、「たのきんトリオ3球コンサート」の写真集とかもあるんですけど、これは知ってますか?
【大沢】 僕……出てますね、3球コンサート。やっぱり、たのきんはトシちゃんとマッチさんがメインでしょ。それでヨッちゃんが途中からギターで出てきて、トシちゃんが「野村義男!」って紹介しても会場がシーンとしてるんですよ。「みんなー、ヨッちゃんを盛り上げて!」ってトシちゃんが言ったことは覚えてますよ。なんか、子ども心にひでぇなと思って(笑)。
──ダハハハハ! これは答えづらければスルーでいいんですけど、内容はともかく『光GENJIへ』ってタイトルで自分たちを名指しした本が出たときは、どう思いました?
【大沢】 ああ、僕はこの本は読んでませんね。
──じゃあ、その暴露本の流れでいうと、ジャニーズでデビューに至らなかった人たちが集まって勝手に「新・光GENJI」(『8人目の光GENJI』)とか「光GENJI・影」(『がんばれ!! 光GENJI』)を名乗って活動していたことについては?
【大沢】 (『8人目の光GENJI』を手に取って)これが新・光GENJIなんですか?
──あ、これだけ挑発的なことをしても、光GENJIの人は知らなかったわけですね(笑)。ところで、本当に大沢さんは、もう本は出さないつもりですか?
【大沢】 う~ん……もう書くことないですよ。それに、これからは調子もちょっと上がってってくんないと。
──ダハハハハ! まあ、そうですよね(笑)。これから、また苦労したら出せるだろうけど。
【大沢】 もう……なんのために生きてるのかと思いますよ。……落ちるとこまで落ちたんだから、もうちょっと上まで行ってくんないと。理想としては、自伝を出すタイミングも、この苦労を乗り越えて落ち着いたときに振り返ってもよかったかなっていうのはあるんですけど。まあ、いろんな人に乗せられたっていうのもあるし、やっぱり節目でもあるんで、いいタイミングだったんじゃないのかな。
──今だからよかったと思いますよ。リアルタイムであがいてる感じが伝わってきて。
【大沢】 そうですか? でも決して僕だけじゃないと思うんですよ。どんな人でも、普通の仕事されてる方も、40代に向けて30代の10年間でもがいたりとか、試練があったりとか、男としていろんなところで戦わなければならない年代だと思うんですよね。まあ、そういう意味でも「大丈夫ッスよ、しんどいのは、あなた方だけじゃないですから」って(笑)。
──「こっちはもっとしんどいですから」って(笑)。
【大沢】 そう思ってもらえたらいいですね。
(写真=江森康之/インタビュー・構成=吉田豪/「サイゾー」1月号より)
大沢樹生(おおさわ・みきお)
1969、年東京都生まれ。82年、ジャニーズ事務所に入所。光GENJIのリーダーとして活躍した後、現在に至る。俳優業を中心に、ドラマ、映画などで活躍する。06年に自らが経営する芸能事務所・ドリームフォープロモーションを立ち上げる。また、現在、ファッション&アクセサリーブランド・Street Star Japanをプロデュースしている。ドリームフォープロモーション〈http://www.d4p.jp〉 Street Star Japan 〈http://streetstar.jp/〉
吉田豪(よしだ・ごう)
1970年、東京都生まれ。プロ書評家、プロインタビュアー。徹底した事前リサーチと鋭い切り込みのインタビューで、各界から高い評価を得る。近著に『バンドライフ』(メディアックス)、『honnin列伝 セキララなオンナたち』(太田出版)などがある。吉田豪解説シリーズとして、山城新伍の『おこりんぼさびしんぼ』、勝新太郎の『俺、勝新太郎』に続き、内田裕也の『俺はロッキンローラー』(すべて廣済堂文庫)が12月中旬に発売予定。
赤裸々とはこのこと。
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