「じゃあの。」竹原慎二ロングインタビュー(後編)
#映画 #ボクシング #格闘技 #インタビュー
タレントとして確かな足跡を残し始めた竹原だが、「ボクシングは麻薬だ」と本人が語るとおり、現在でもジム経営という立場で関わりを続けている。
一方で、竹原よりひとつ年上の辰吉丈一郎など、現役に固執する者もある。
「そういう生き方が素敵っていう人もあるかもしれないですね。一生懸命、自分が好きでがんばってる分には、いいなって思いますよ。ただ、どこまで真剣にやってるか、というのがわからないですから。ちゃんと練習してないんだったら『じゃ、なんでやんの?』ってことになっちゃう」
ここ数年、ボクシング界に良くも悪くも旋風を巻き起こしているあの兄弟についても聞いてみた。
「ああいう売り出し方もあるんでしょうけど、俺はいいやって思いますよ。それに、特に盛り上がってないでしょう亀田なんて」
亀田兄弟の試合を中継するTBSでは、かつて竹原と畑山をテレビ解説として呼んでいた。だが、長男・興毅選手の試合に対して苦言を呈してからというもの、2人の解説を聞く機会はなくなっている。
「ちょっと疑問を言ったらね。亀田の周りというか、お父さんがダメなんだよね。俺と畑山をそうさせたのも親父なんだから。プロボクシングのルールも変えちゃってるし。これからもメチャクチャになっていくんじゃないですか。だって、いないほうがいいでしょ、正直言って」
今年、畑山隆則とともに運営する「T&Hボクサ・フィットネス・ジム」も念願のプロ加盟を果たし、竹原自身もプロボクサーの育成や試合のプロモートにも力を入れていくことになる。
「打たせない選手を作りたいですね。だけど、つまらない試合はさせたくない。難しいですよね。今はボクシングも人気が下がっているでしょう。ジム経営の方はまだまだ赤字だけど、盛り上げていきたいですね。優秀なトレーナーもいるので、彼らが育成をしやすいような環境を作ることも大切ですし。もちろん今まで通り、ダイエット目的の女性会員さんも大歓迎ですよ。それに、3月3日には渡嘉敷さんと一緒に興行のプロモートもやる予定です」
24歳でタイトルを失ってからの13年、それは竹原にとって順調な日々だったのだろうか。
「順調じゃないですよ。山あり谷ありです。人はいいところばっかり見てすげえって言うけど、やっぱりね、みんな浮き沈みがあるんですよ。だからがんばんなきゃいけないっていう。人間だけなんですよね、未来の心配ができるのは」
最後に、もう一度13年前の”事件”について聞いてみた。
──あのころ、竹原慎二がミドルを獲るなんて誰も想像していませんでした。竹原さんご自身が世界を獲れると思ったのはいつごろでしたか?
「獲れるなんて思えないですよ。だから、がんばれたんです」
現役時代、ストイックで口下手でおっかなくて、それでいてめっぽう強かった竹原慎二。タレントとしてキャリアを積み、ジムの会長としてボクシング界を俯瞰し、ブログでは独特のキャラクターで愛されつつ、今なお、前に進んでいる。
(文中敬称略)
●『溝鼠vs毒蟲』
09年1月25日発売予定。
出演:竹原慎二/夏生ゆうな/大口広司/速水今日子/若松武史/畑山隆則
監督:横井健司
新堂冬樹の同名小説を竹原慎二主演で贈るアクションドラマ。お金のためならどんな仕事でも引き受ける復讐代行業を営む”溝鼠”こと鷹場。彼は少年時代に経験したトラウマにより非道な人間になっていた。そんな彼に恋人を汚された大黒は……。
●たけはら・しんじ
72年1月25日、広島県安芸郡生。第20代WBA世界ミドル級チャンピオン。現在はタレント、ボクシングジム会長、株式会社カンピオーネ代表取締役社長。
●竹原慎二の MUSIC GYM
毎週土曜 25:00~25:30 (INTER-FM 76.1MHz/関東)
毎週土曜 20:00~20:30 (KISS-FM KOBE 89.9MHz/関西)
制作・配給:アースリーナイン
URL : http://ameblo.jp/musicgym
こちらも絶好調の人生相談本。
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