意外な超大物も!? 『トロピック・サンダー』の幅広い楽しみ方
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11月22日から公開される『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』は、『ナイト ミュージアム』がファミリー層にヒットしたコメディ俳優、ベン・スティラーが自ら監督し、主演した戦争コメディだ。
いまやすっかり落ちぶれたアクションスターのダグ・スピードマンと、下ネタだけが芸のコメディ俳優ジェフ・ポートノイ、5度のオスカー受賞という超演技派俳優カーク・ラザラスが、それぞれの思惑をもってベトナム戦争を描く大作「トロピック・サンダー」の撮影に臨むが、我の強い俳優たちのおかげで現場はバラバラ。あっという間に製作予算が超過し、スタジオからは製作中止の圧力も。追い込まれた監督は、彼ら俳優たちを本物のゲリラが潜む東南アジアのジャングルに放り込み、リアリティあふれる戦争映画を作ろうとするのだが……。
監督・主演のスティラーが劇中劇の主演俳優スピードマン、『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックがポートノイ、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jr.がラザラスを演じており、この濃い組み合わせだけでも映画ファンにはうれしく、笑える一作となっている。実際にブラックはコメディ俳優だし、ダウニー・Jr.は一時期は落ちぶれていたが演技派俳優として復活を遂げ、いま再び脚光を浴びている俳優。唯一、肝心のスティラーはコメディ俳優で、映画の中のような”アクションスター”には見えないのが難点だが、そこはご愛嬌。また、本作は現場の意見よりも金を握るプロデューサーの意見が優先されたり、落ちぶれた俳優たちの状況などを描いていて、映画業界の裏側がのぞける点も面白い。
『プラトーン』や『地獄の黙示録』といった戦争映画や、あるいは『ランボー』や『プレデター』といった密林を舞台にしたアクション映画の影響も多く見受けれ、通好みなキャスティングで、映画ファン向けの映画と思われるかもしれないが、そうした元ネタや、スティラー、ブラック、ダウニー・Jr.といった俳優たちを知らずとも楽しめる要素として挙げられるのが、あの大ヒットスパイ映画で有名なトム・クルーズが出ているということだろう。
彼の役どころは、映画の製作中止を突きつけてくるスタジオの重役で、世の中はすべて金で解決できると思っている傲慢なプロデューサーだ。驚くべきはその容貌で、2枚目スターの変貌ぶりに驚き、女性ファンは悲鳴を上げるかもしれない……。その姿をぜひとも劇場で確認してほしいもの。ちなみに彼の出演はサプライズの予定だったのだが、撮影現場をパパラッチされてしまい、全米公開前に写真が流出してしまうという事件も起こったほどだ。
また、本物のゲリラと戦うことになってしまい、敵地で窮地に陥ってしまった俳優たちの決死の脱出劇はなかなかの迫力で、案外普通のアクション映画としても楽しめる。一粒で何度もオイシイ映画が、この『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』だ。
(eiga.com編集部・浅香義明)
作品の詳細は以下より。
『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
映画評
予告編
ランボー最新作、すごい映画。
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