明石家サンタもいいけれど…ひとりのXmasに『ジョージアの日記』
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東京では気温も下がりはじめ、街中には早くもクリスマスイルミネーションが次々と灯り、紅葉はまだだが、すでに冬到来と言ったところ。クリスマスは恋人たちのシーズンとは誰が言ったか知らないが、ともかく世間ではそういうムードになる時、独り身はなにかと寂しい思いをするもの。冬に向けて恋人探しに躍起になる気力のある人はまだいいが、恋愛するのももうなんだか疲れてしまった……というオトナに意外とはまりそう映画が『ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日』。
よく”『ブリジット・ジョーンズの日記』ティーン版”といわれるが、言い得て妙。映画の原作はベストセラー小説(ルイ―ズ・レニソンの「ジョージアの青春日記」)で、舞台はイギリス、ちょいブスな女の子が幸せをつかむ……という点で『ブリジット・ジョーンズ』に確かに共通するところは多い。
主人公は中学生の女の子、ジョージア・ブルーム。本人曰く「木星のようにデカい」鼻のおかげでちょっと残念なルックス。でも、彼女は超ポジティブ。まだキスはしたことはないけれど、いつか素敵なキスができると信じてイメージトレーニング(妄想?)にも余念がない。そんなある日、学校に超イケメンのロビーが転校してきて、ジョージアは一目惚れ……なのだが、どうやら彼は学園一のビッチな女、リンジーと付き合っているというウワサ。しかし、ここで簡単にはあきらめない。「あんな見せかけだけの女に騙されてる! 絶対に負けてられない!」と、ジョージアは仲良し4人組で作戦を練り、彼を振り向かせようとする。幸い彼は猫好きだということで、ジョージアは凶暴な飼い猫のアンガスを使って彼に急接近を試みるが……。
このパワーがどこからくるのかはともかく、小さくなドジや失敗でその都度観客を笑わせ、落ち込みながらも前に進もうとする彼女は傲慢でもなく、明るく前向きな、真っ直ぐな女の子だとわかるはず。家族はちょっと風変わりだが幸せそのものなのに、いつまでもラブラブな両親を「恥ずかしい」と思って反抗的になったのに、いざ親が離れ離れになると大切さを痛感したり、学校では女の子同士でワイワイしたり……実に多感な10代の女の子らしいジョージア。そうして見ているうちに、自然と彼女を応援したくなってくる。
しかし、まあ、まだ中学生というのに、こうも恋愛に必死になるのもいかがなものか? 他にやることあるのでは? と思わなくもないが、それもいつしか彼女の前向きな姿勢に共感し、恋愛に臆病に、億劫になっている人の背中すらも押してくれそう。「恋愛するのもなにかと疲れる」と、恋愛そのものへのエネルギーをなくしている人は、ぜひ一度見てみてはいかだろうか。もちろん、映画のタイトルにもあるように、何かと憂鬱なことが多いけれども、それでも今から考えてみれば、なんとも輝いていた学生時代を懐かしむ思いで見てもいい。あの頃は、大人になった今から思えば、大したこともなかった小さな出来事が一大事のように思えて、なにかと騒がしいけど楽しかったはずだ。この映画はティーンが主人公だが、そうした時期を通り越してきた大人たちが見てこそ、パワーがもらえるはずだ。
メガホンを取ったのは『ベッカムに恋して』の女性監督グリンダ・チャーダ。恵比寿ガーデンシネマほかにて11月15日より公開される。
(eiga.com編集部・浅香義明)
作品の詳細は以下より。
『ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日』
『ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日』映画評
『ブリジット・ジョーンズの日記』
『ベッカムに恋して』
キーラ・ナイトレイがすてき。
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