「笑いゼロ!」お笑い芸人がマジ芝居で描き出す”任侠”の世界
#お笑い #DVD
宮迫博之(雨上がり決死隊)や塚地武雅(ドランクドラゴン)など、ドラマや映画の世界で活躍するお笑い芸人は数多い。彼ら芸人が人を笑わせるために磨き上げてきた芝居の技術は、プロの役者の世界でも十分通用するということなのだろう。
今年12月、そんなお笑い芸人たちが笑いゼロでマジ芝居に挑んだ異色のDVD『くれないの盃』が発売される。
出演しているのは品川庄司の庄司智春、スピードワゴンの井戸田潤。そして、バッドボーイズの佐田正樹に、ますだおかだの岡田圭右。さらには安田大サーカスの団長安田にHIRO、長州小力、森三中黒沢かずこ、東京ダイナマイトのハチミツ二郎など、今をときめく芸人たちだ。
この作品は、東京の下町を舞台にして、跡目問題に揺れるヤクザ一家が迎える宿敵との激しい抗争を描いたもの。中でも、出色の芝居を見せていたスピードワゴンの井戸田潤に、「芸人が真面目に演技するとはどういうことなのか?」について聞いてみることにした。
――今回の映画、ご自分で見てみた感想はいかがでしたか?
「映画が完成してからDVDをもらったんで、庄司君と佐田君を自宅に呼んで、試写会をやったんですよ。お互いちょっと照れくさかったですけど、そんなに恥ずかしくはなかったですね」
――現場の雰囲気はどうでしたか?
「普通のバラエティ番組の楽屋と一緒で、みんな和気あいあいとしてましたよ。げらげら笑いながら、ゲームをやったり、ブラックジャックをやったり」
――井戸田さんの演技が光っていたと思ったんですが、ご自分ではどう思われます?
「そう言ってもらえるのはうれしいですけど、自分では上手いとか思ったことはないですね。これの前に『ヒトリマケ』っていう映画にも出たんですけど、それまでは1回もちゃんとしたお芝居をしたことがなかったですからね」
――お笑いの演技とシリアスな演技はやっぱり違うものですか?
「そうですね。お笑いだと、ちょっと誇張して演じるようなところがあると思うんです。僕らは漫才だと割と声を張る方なんですけど、今回やったのはクールな役柄ですから。ずっと淡々と落ち着いた感じでやってました」
――演技に対して監督から何か注文はありましたか?
「いや、それが全然。こうしてくれああしてくれとか、ほとんど言われなかったですよ。ただ、1個だけ恥ずかしいのがあって。庄司が銃を構えてるところに、僕が近づいて、庄司の首にチョップをして気絶させるっていうシーンがあって。それを初めてやったときに、僕がやったチョップが超ダサかったんですよ(笑)。チョップなんて普段やったことないじゃないですか。どうやったらいいかわかんなくて、それはさすがに監督の方からNGが出ましたね」
――今回はヤクザの役を演じたわけですが、井戸田さんも若い頃はだいぶ悪かったんですか?
「いや、全然そんなタイプじゃなかったですね。どっちかというと、ヤンキーとかじゃなくて、そういうのから逃げ回ってるタイプでしたよ。その点、佐田なんか完全に本物ですからね。あいつが後輩で良かったと思います(笑)」
――お芝居という意味では、井戸田さんの奥様(女優の安達祐実さん)は大先輩ということになりますが、今回の映画に出るにあたって、演技指導を受けたりはしましたか?
「いや、演技指導ってほどのことはなかったですけど。収録の前日とかに、読み合わせに付き合ってもらったりとかはしましたね。でも、やっぱ本職は違いますよ。『この文章ではここが言いたいんだから、ここを強調した方がいい』とか教えてくれたりして。ただ、そんなこと言われても、こっちはそんな高度なことはできないんですよ(笑)。台詞を覚えるだけで精一杯なので。やっぱり芝居は奥が深いですね」
DVD『くれないの盃』の発売は12月25日。「あま~い」でおなじみの井戸田が見せる「しぶ~い」演技に注目だ。
(取材/ラリー遠田)
●くれないの盃
出演: 庄司智春, 井戸田潤, 佐田正樹, 岡田圭右, 団長安田
監督: 辻裕之
販売元: GPミュージアムソフト
DVD発売日: 2008/12/25
時間: 85 分
熱入ってます。
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