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「コミックボンボン」名物編集長×『プラモ狂四郎』作者

今こそ『ガンダム』を凌駕する新しいキャラが生まれるべきだ!!(後編)

bonbonsub.jpg「コミックボンボン」全盛期を支えた2人。
メーカーと手を組んで流行を仕掛けると
いうその手法は、後に『ミニ四駆』『ポケ
モン』に受け継がれていった。

前編はこちらから

●「ジャンプ」「マガジン」を読む前世代に必要な「ボンボン」

──『SDガンダム』といえば、88年に「ボンボン」とバンダイで仕掛け、一大ブームとなり、91年には「コロコロ」の部数をついに追い抜きました。

【池田】 80万部までいったので、「100万部を超えたら、大々的にパーティをやろう」っていう話を編集部でしてたこともあります。実際、100万部は超えませんでしたが、そのくらいの勢いはあったんです。その後、3年くらいは勝っていたと思うんですけど、我々がうれしかったという以上に、「コロコロ」側はかなりショックだったようで、かなり「ボンボン」を研究していたみたいです(苦笑)。

【やまと】 プラモマンガも2~3本増えたし、あの頃はかなり「ボンボン」を意識していた印象がありますね。それからは、ホビーコンテンツの争奪戦でした(笑)。

【池田】 「これで部数も安定するだろう」と、絶頂期に編集長をバトンタッチして、僕は「覇王マガジン」というゲーム雑誌の編集長に就いていました。でも、「覇王マガジン」は97年に休刊になり、私が2年間離れている間に「ボンボン」の部数が下がっていたこともあって、編集長に戻ったんです。でも、うまくはいかなかったですね。

【やまと】 僕は93年に「ボンボン」から離れて、95年からずっと郷里の秋田県に戻っていたんです。03年に活動を再開させたとき、講談社を訪れたら「ボンボン」編集部に知っている顔はなかった。判型も06年に大判に変わったのは、「コロコロ」との勝負を避けたような気がして、寂しい気持ちになりましたね。大判になって、ホビー関係の記事が減って、「月刊少年マガジン」っぽい大人も楽しめるマンガが増えて、子ども目線がなくなり……休刊になるんじゃないかっていう予感が少なからずしていましたよ。でも、やっぱり「ボンボン」に復活してほしい、という思いは強いですよ。

【池田】 ライバルがいるほうが市場全体が、盛り上がるはずなんですよ。確かに雑誌作りは難しいでしょうが、極端なことを言えば、大多数に支持される作品が2本あれば、少年マンガ誌はやっていけるんです。その2本が牽引すれば、その他の連載はラジコンやゲームなど、特定のジャンルに絞った実験的な企画もできますから。やっぱり、柱を作れなかったのが、休刊の原因だと思うんですよね。

 さらに、ガンプラブームの頃から、サンライズとはポストガンダムについてずっと話し合っていたんですけど、結局ガンダムを凌駕する作品を生み出せなかった。でも、今こそ、新しいヒーローやキャラクターが生まれていい時期だと思うんです。その土壌として、「ボンボン」のような小学生のオピニオンリーダーとなるマンガ誌の役割は、まだあると思うんですよ。

【やまと】 中学生になっていきなり「マガジン」や「サンデー」「ジャンプ」を読むんじゃなくて、その橋渡しをする雑誌としても必要だと思うんです。

 今は、子どもがゲームにハマり、マンガを読んでくれないと言うけど、つまらないから読んでくれないんです。面白くないとかそういのじゃなくて、置いてけぼりというか、単行本ありきで構成してあるからシラケてしまう。だったら、好きな作品だけまとめて読んだ方が安上がりだし(笑)。新参のケータイコミックだってアダルトが主流ですからね。子どもの読者層を開拓しなきゃますます窮地でしょうね。プラモ狂四郎は、もう28年前の作品ですが、5度目の文庫本化や商品化されるのも、「ボンボン」のような児童誌で育った読者の支持があってのことなんです。

 そういえば、7月には『プラモ狂四郎』の文庫版が刊行されていますし、11月にはバンダイから『プラモ狂四郎マニアックス』という、作品の中から生まれたモビルスーツ28体のフィギュアが発売されるんですよ。これも僕に印税が発生するわけじゃないんですけどね(笑)。

【池田】 やっぱり、僕が仕切って版権を持っておけばよかったのかな(笑)。

(写真・江森康之/構成・大貫眞之介/「サイゾー」11月号より)

●やまと虹一(やまと・こういち)
第3回手塚賞応募作『エレジーママロボット』でデビュ−。「コミックボンボン」(82年2月号)より『プラモ狂四郎』の連載を開始し、ガンプラブームに拍車をかける。現在、講談社文庫『プラモ狂四郎』(全10巻)を刊行中。11月からバンダイより『プラモ狂四郎マニアックス』シリーズを発売予定。「ホビ−ジャパン」で『プラモ狂四郎コラム』連載中。現在は別ペンネームで歴史、昭和史などを執筆中。「続・やまと屋ブログ堂」http://kyamatospirit.blog50.fc2.com

●池田新八郎(いけだ・しんぱちろう)
1942年生まれ。講談社入社後、「少年マガジン」「テレビマガジン」の編集部に所属し、「コミックボンボン」の創刊に参画。「コミックボンボン」「覇王マガジン」などの編集長を歴任し、03年退社。

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垂涎。

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最終更新:2008/11/15 11:00
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