そこに未来はあるか!? 『リニア見学センター』の意外な現実
#退屈巡礼
この退屈なご時世に、退屈しのぎに退屈な場所に行ってみるシリーズ【退屈巡礼】。第二回は山梨県の『リニア見学センター』に、リニアモーターカーを見に行ってきました。
まだ21世紀が”明るい未来”だった、1970年ぐらいに考えられていた「未来予想図」と現実のいまを比べると、あまりの落差にがっかりしちゃいますよね。むしろ都会ほど70年代と街並がそれほど変わっていなかったり……。でも、携帯電話やワンセグ、薄型テレビといった身近なところでは、逆に想像以上に進化したものが実現していることを考えると、この現実の21世紀の未来感のなさは、何か「これぞ未来だ!」というものが足りないからに違いありません。
(館内の様子はこちらから)
やっぱり未来予想図の定番といえば、宙を浮いて走るエアカー! ……って、ちょっとそれは100年待っても実現しそうもない気がしますが、もうひとつの未来っぽい、そして宙を浮く乗り物といえば「リニアモーターカー」。こっちなら、かなり現実の物として形になっているハズ。むしろまだ実用化されていない方が不思議な気が……というワケで、まだ見ぬ未来への期待を抱いて、山梨県にある「リニア見学センター」へ行ってみました。
とは言うものの、リニア見学センター&実験線はすごい山の中。未来感とはほど遠すぎる場所です。しかも試験走行はほとんど平日にしかやっていない(もし興味があって行かれる方は、HPで試験走行の予定をご確認ください)せいか、きっとメインはぶどう狩りとかの方だと思われる年輩の団体客や、ヒマそうなご近所の人しかいません。
さらにトドメは「リニアまんじゅう」などがメインのおみやげコーナー。中でもひときわ異彩を放つ「リニア讃歌」なる演歌のカセットテープ(!)に至っては、未来どころか昭和のまま時間が止まってます。せっかく本物のリニアが走っているんだから、Perfumeの「リニアモーターガール」の見学センター限定版ぐらいあっても……いや、それはそれで間違った方向にがんばり過ぎと言われそうですけど。
と、「まだ見ぬ未来」とは大きく趣きが違ったリニア見学センターですが、肝心のリニアモーターカーの方はどうかといえば、もう完全に実用レベル! そりゃ数年前に人を乗せての試験走行もやっていたぐらいですから当然といえば当然なのですが、あらためて目の前を時速500Kmで走り抜けていく車両を見ると、「マジでスゲー!」とストレートに感嘆してしまいました。展望室のガラス越しにも伝わってくる、通過するときの「ドムッ!」という衝撃は、未来を感じるのに十分。まぁ「旅客線として実現するためには少なくとも8兆円が必要」なんて話を聞くと実用化されていない理由も明白だったりするんですが、なんとかがんばってほしいところです。うかうかしてると、見た目からして未来っぽいドバイあたりに先に造られちゃいそうだし……って、日本にリニアが開通しても「未来都市」みたいにはならないと思いますけどね。むしろここの長閑な雰囲気こそが、そのまま日本の未来の風景なのかもしれません。
パッと見で「スゴイ」のが分からないのが残念ですが。
あればよかったんですけどね。でも車両模型はワクワクします。
実用化されるときはデザインにもうひとがんばり期待……って、
そもそも実現するのか?
限定品のネクタイやTシャツなどがあり。
買ってみましたが、残念ながらまだ内容の確認ができていません。
パネルで表示されているので、見逃す心配はなし。
時速500kmハンパねぇぇ~~~ッ!
あったと思います。(何回も往復するので、その点はご安心を)
●ご利用の心得
・過剰な「未来感」には期待しない
・とりあえず試験走行日は要確認
・実は展望室よりも駐車場から見た方が迫力満点かも
●あまり親切でないご利用案内
開館時間:午前9時から午後5時(入館は30分前まで)
休館日:毎週月曜日、祝日の翌日、年末年始
入館料:無料
住所:山梨県都留市小形山2381
アクセス:可能なら車で行くのをおすすめ。中央道大月インターまたは都留インターから約15分。電車利用の場合は、JR大月駅で富士急行線に乗り換え、田野倉または禾生で下車。徒歩20分ぐらい
HP:http://www.pref.yamanashi.jp/linear/kengaku/kengaku.html
(取材・文/大黒秀一)
通常版です。
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