トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > “報ステOP”のサックス奏者・矢野沙織が語る『中2の決断』
【動画付インタビュー】

“報ステOP”のサックス奏者・矢野沙織が語る『中2の決断』

yanosaori01.jpg

 11月1日、2日に行われる『ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル2008』のラインナップに、気になるアーティストの名前を見つけた。アルトサックス奏者・矢野沙織。テレビ朝日系『報道ステーション』のオープニングテーマを演奏している、気鋭のアーティストだ。

 14歳からライブハウスでジャズを吹き、中学卒業後に渡米。その後、16歳でCDデビュー。21歳にして、デビュー5年目を迎える彼女に、その原点である東京足立区のジャズ喫茶『cafe Clair』で話を聞いた。

矢野沙織さんによる、迫力満点の生演奏動画はこちらから

「小学4年生のときにクラブ活動でサックスに出会って、それからはもう、ジャズミュージシャンになりたいとずっと思っていました」

 健全な夢を抱いた小学生の矢野少女。そのまますくすくと育ったのかと思いきや、中学に入るとやや屈折することになったという。

「中2くらいって、いろいろあるじゃないですか(笑)。学校にもちゃんと通っているとは言えない感じになったし、当時私のまわりにいた友達たちもテキトーにやってる感じで。『どうせみんな高校になんて行かないで、卒業したらテキトーに働いて10代でデキ婚しちゃうんじゃないの?』なんて思ってましたね。心のどこかで、私はそんな友人たちを見下していたんだと思います。だけど、私だって高校に進学するつもりはなくて、『中学が終わったらニューヨークに行こう』みたいなことを考えてて。そんな中2でした」

 中2。誰しも、多かれ少なかれそうした感情に苦しみ、悶える年代だろう。そして多くの人間はその葛藤を忘れて日常に身を埋めるか、いつまでも忘れられずに迷走を続けるかのどちらかだ。だが、矢野少女はここで直球ストレートの驚くべき行動に出る。

yanosaori02.jpg「都内のライブハウスに片っぱしから電話をかけまくったんです。『私を出演させてくれ』って。当然、『はい、出てください』なんて言ってくれるところはなくて、門前払いの連続でした。そんなときに、ここ『cafe Clair』のマスターだけが『じゃあ、一回来てみたら?』って言ってくれたんです。今、振り返れば『とんでもないことをしたな』と思いますけど、当時の私にはそれしかなかったんですね。自分のしていることに何の違和感も持っていませんでした」

 当然彼女も一度は「プロのレベル」という壁に跳ね返されることになるが、辛抱強く舞台に立ち続け、いつしか大人たちとも対等に渡り合う一人前のジャズミュージシャンへと成長していた。そして、渡米。CDデビュー。気がつけば、日本のジャズシーンでもっとも将来を嘱望されるミュージシャンのひとりである。そんな矢野沙織に、少し意地悪な質問をぶつけてみた。

 もしサックスと出会ってなかったら?

「シングルマザーかもしれませんね(笑)。私の知り合いにも14歳で出産した子いますもん。そういうドラマがありましたけど、あんなキレイな話じゃないですよ現実は」

 たとえ破天荒でも、自分の夢に向かって一直線に突っ走る強さを持った女性──メディアに登場するようになって、そんな矢野沙織のイメージに対しての憧れを口にする少女たちも出てきたという。

「それが、一番怖いですよね。これはちゃんと言っておきたいのですが、当時の私ぐらいの女の子たちが私の経歴に憧れるのだとしたら、それは大きな間違いだと思います。もし将来私が母親になったとき14歳の女の子がいきなり『ジャズマンになるから高校になんて行かない』って言い出したら止めると思います。私の場合は、運よく恵まれた環境で育ててもらえましたが、こんな風に親切にしてもらえたことが当たり前だなんて思っていませんし、むしろ、ごく稀なことだと思いますから。それに、大学でしっかり音楽の勉強をしてからプロになったほうが、今の100倍上手く演奏ができたかもしれませんし」

 弱冠21歳にして、他人の人生を左右するような大変なものを背負ってしまった矢野沙織。もしかしたら私たちには計り知れないプレッシャーの中で生きているのかもしれない。そんな彼女にストレス解消法を聞いてみると……。

「普通に遊んだり。あとマンガですね。マンガばっかり読んでます」

 ちなみにお気に入りの作品として挙げてくれたのは『闇金ウシジマくん』と『アゴなしゲンとオレ物語』。ひょっとして、これらの作品から受けるインスピレーションを作曲や演奏に生かすこともある?

「ないですよ(笑)」

 11月の銀座フェス、そして12月3日にはニューアルバム『GLOOMY SUNDAY』の発売を控える矢野沙織。こんな女性がオープニングテーマを演奏していると思うと、『報道ステーション』の見方も少し変わるかも?

「動画を回すので少しだけ演奏してほしい」と申し出ると、
気軽に了承してくれた矢野さん。その演奏は、圧巻でした。

●『ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル2008』
(矢野沙織さんが出演されるライブを含む、ホールライブは事前の申し込みが必要になります)

【お申し込み&お問い合わせ先】
[申し込み]
期間:10月15日(水)消印有効
http://www.ginza.jp/ginzajazz/
(詳細は以上のHPを参照下さい)
[お問い合わせ先]
ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル2008事務局
TEL:03-5793-3524 FAX:03-5793-3511
(10:30~18:30、土・日・祝日を除く)

●矢野沙織最新アルバム情報
『GLOOMY SUNDAY』
敬愛するビリー・ホリデイの愛唱曲を、矢野沙織のサックスが哀感を込めて歌い上げる。
COCB-53752 ¥3,000(Tax In.)
「Strange Fruit」,「Don’t Explain」,「Summertime」他全9曲収録
矢野沙織公式HP:http://yanosaori.com/

cafeclair.jpg●取材協力/ジャズ喫茶『cafe Clair』
住所:東京都足立区関原2-16-13
電話&FAX:03-3880-6645
営業時間:9:00~23:00
定休日:なし
客席:45席
HP:http://www.adachi.ne.jp/users/clair/

矢野沙織 BEST~ジャズ回帰~(DVD付)

“日本のキャノンボール・アダレイ”その音色に酔う。

amazon_associate_logo.jpg

【関連記事】 B’zにミスチル、宮崎あおい…血眼のNHK『紅白』人選事情
【関連記事】 新人賞はジェロ! 今年のレコ大もすでに決定済!?
【関連記事】 「6億円支払え!」著作権まで売った”極貧”小室哲哉に厳しい和解案

最終更新:2008/10/21 15:08
ページ上部へ戻る

配給映画