劇場を出たら散歩に行こう!“ご近所映画”の楽しさ
#海外 #映画 #邦画
東京地方では豪雨が過ぎ去ったかと思うと、暑さがぶり返したりと不安定な天候が続いているが、どちらにしても真夏の日差しは過ぎ去り、街歩きにはいい季節になってきた。今回は映画館に行って、その足で街歩きをしたくなる映画を紹介。
ひとつはタイトルもそのものズバリ『TOKYO!』(公開中)。アカデミー賞脚本賞を受賞した『エターナル・サンシャイン』などハリウッドでも高い評価を得ているフランス人のミシェル・ゴンドリーと、こちらもフランスの鬼才で『ポーラX』以来10年ぶりの新作となるレオス・カラックス、そして『殺人の追憶』『グエムル/漢江の怪物』などで高い評価を得ている韓国のポン・ジュノ。この3人の海外の監督が、それぞれ東京を舞台にオリジナルストーリーを撮ったオムニバス映画だ。出演しているのは、加瀬亮、蒼井優、香川照之など。
都心に通う人ならすぐに見てわかる場所として、銀座や渋谷が3つの作品を通してよく登場する。銀座は高級ブランドショップが並ぶハイセンスな街の、渋谷は雑多なエネルギーにあふれた街のそれぞれ代表格として、海外の監督から目を引く存在なのかも。もちろん、そうした都心の繁華街以外にも、平凡な住宅街などもロケ地として使われている。
だって猫である」フィルム・コミッティ
もうひとつは小泉今日子主演の『グーグーだって猫である』(9月6日公開)。こちらは吉祥寺の街がまるまる舞台になっている映画で、原作は『綿の国星』などで知られる人気漫画家・大島弓子の自伝的エッセイ漫画。吉祥寺に暮らす主人公の漫画家・麻子さん(小泉今日子)と彼女の飼い猫グーグーや、彼女たちを取り巻く人々の日常を描くほのぼのムービー。桜の季節には花見客で賑わう井の頭公園で小泉今日子や加瀬亮が語りあったり、実際に公園入口そばにある老舗焼き鳥屋「いせや」で、上野樹里や森三中がお酒を飲んでいたりする。
映画は、時としてロケ地そのものが話題になるものもあり、ロケ地側も映画の撮影を誘致して町おこしに役立てようとすることはよくあること。『グーグーだって猫である』でも、武蔵野市が監督や出演者一同、出演猫(?)のグーグーに対して友好市民証を授与するなんてイベントも行い、ロケ地と一体になって映画の宣伝を行っている。見る映画を選ぶひとつの選択基準として、ロケ地という観点も面白いかもしれない。
今回は東京に限定して2本紹介してみたが、知っている土地がスクリーンに登場するだけでも、なんとなく嬉しいもの。映画館を出たら、その足でかの地へ向かい、「ここで映画が撮影されたのか」と想像を巡らすと、1粒で2度おいしい映画の楽しみ方が出来るのでは。
(eiga.com編集部・浅香義明)
作品の詳細は以下より。
『TOKYO!』
『グーグーだって猫である』
(C)2008「グーグーだって猫である」フィルム・コミッティ
日本にもファンの多いC・カウフマン脚本作品。
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