鼻の拓本を採取!? “狛犬さん”と楽しく遊ぼう!
#動物
グッと狛犬の鼻に紙を押し付け、そこを一心不乱にコンテでこすり続ける――。「なんて罰当たりな……」と嘆かれそうだが、これは「拓狛」という、狛犬の鼻の拓本を採るという世にも奇妙な趣味のひとつ。
「こんなことしているのは私しかいません」と、拓狛の“第一人者”・吉野忠夫さんは語る。彼が参加する狛犬愛好家が集う「日本参道狛犬研究会」(通称「狛研」)では、各人がお気に入りの狛犬を紹介し合うのだが、その多くが写真と簡単な情報をまとめたものだったことに彼は物足りなさを感じ、拓狛を始めたそうだ。鼻にこだわったのは「顔の中心にあり、呼吸をする場所。生き物の一番大切な部分で、形にも惹かれた」からだという。
拓狛決行日は自宅から自転車で現場に向かい、1日7~10社ほど回るというから狛犬と違ってフットワークは軽い。すでに全国4500社を巡り、作品も2000点を超えたそう。でも、狛犬に触るなんて、怒られたりしないの?
「いや、全然。むしろ鼻に紙を押し付けると、あぶらとり紙のような効果があって、ちょっとキレイになる(笑)。そもそも狛犬って、寺社の中ではそんなに大切な扱いではないんです。今でこそ台座が高くなっていますが、昔は地面にそのまま置いてあり、子どもたちがよく乗って遊んでましたし。寺社ってそんな遊び場だと思いますよ」
厳かな存在に感じていた狛犬も、拓狛によって近所のワンコばりにグッと身近な存在に変わる。読者諸兄も今後寺社へ行った際は、遠慮せず、存分に狛犬とじゃれ合ってみてはどうでしょう?
(下元陽・BLOCKBUSTER/「サイゾー」9月号より)
拓狛(たくはく)
狛犬の鼻など、像の中で最も特徴ある部位をスクラッチのようにして拓本を採る。吉野さんの場合はそれだけでなく、全体像のスケッチ、地面からの高さ、体高、胴回りを計測し、スケッチブックに記入する。台座に刻まれた文字など、歴史や由来もできるだけ記録する。
犬といえば。
【関連記事】 萩原流行が“息子”への大いなる愛を叫ぶ!
【関連記事】 ザルな動物愛護法では“犬鍋”は取り締まれない!?
【関連記事】 アニマルサイエンス! 野生動物のエッチを見よ
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事