株式市場で盛り上がる「ポスト福田」って誰?
#株ココロ
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依然、支持率低迷にあえぐ福田政権。内閣改造も終わり、来るべき解散総選挙やポスト福田の話題に注目が移るなど、政治の世界も騒がしくなってきた。そんな揺れ動く政治動向と株は切っても切れない関係にあるはず。そこで今回は、今後の政局を占いつつ、株式市場が歓迎すべき次期首相を探してみた。重苦しい市場の空気を拭いさってくれるのは誰だ?
まずは、株式評論家の大岩川源太氏が、政治と株の関係について解説する。
「株式市場は政治の影響を大きく受けます。小泉政権の時代は、若い企業を育てるという国策があったために株式市場でもIPO相場が活況でした。小泉政権が終わってからは、新興市場の低迷が続いていますよね。福田政権は、“小泉構造改革路線の否定”という側面が強く感じられます。となると、新興企業の株はダメで、逆に従来型の古い会社のほうが伸びやすい。実際、新興銘柄の動向を計るジャスダック指数は、年初来安値を更新し続けている一方で、日本を代表する銘柄の指数である日経平均の落ち込みは、比較的軽微といえます。業界シェアが高い大企業は、価格決定権も握っていますから、原油高、資源高が進むインフレ経済でも価格転嫁を進めやすく有利なんです。
また、福田政権の個別の政策で見てみると、先日発表した『5つの安心プラン』で医療人材の充実化をする方針を打ち出しています。個別銘柄でそれに対応している企業を調べてみると、東証マザーズ上場で介護、医療関係の求職サイトを運営するエス・エム・エスという会社があります。このように、株式投資をする上では、政策と密接な関係にある企業の株をいつもチェックしておく必要があります」
いわゆる「国策に売りなし」ということである。
キーマンは「増税3人衆」
市場に追い風を吹かせる人物と見る。一方で、政
権交代における経済政策の根本的見直しこそ、
今の市場にはカンフル剤になるとの見方も。
さて、株はときに政治家個人とも密接なつながりがある場合もある。かつては政治家個人と密接な関係のある銘柄は「マル政」と呼ばれ、選挙シーズンなど政治の動きと呼応して乱高下していた。最近も洞爺湖サミット開催と合わせて、某電池メーカーの株価が半年のうちに8倍にも高騰し話題になっていたが、特に有望な技術を持っているわけでもなく、市場関係者の間では自民党の有力派閥のマル政ではないかという噂が流れていたという。
そんな中で、株式市場にもっとも影響力のある政治家は、もちろん首相であり、首相が選ぶ閣僚の影響力も当然大きい。先ごろ福田首相は、首相就任以来、初めて本格的な内閣改造を行ったが、これは株式市場にはどんな影響があるだろうか。経済評論家・山崎元氏は、こう解説する。
「今回の内閣改造で特徴的だったのは、財政再建重視派が重用されたということ。従来、財政再建について積極的に発言してきた伊吹文明、与謝野馨、谷垣禎一らがそれぞれ財務大臣、経済財政大臣、国土交通大臣に就任しました。
これによって、何が起きるかというと、消費税増税を中心とした増税策で短期間のうちに財政再建を達成しようという動きが強まります。私は先の3人を『増税3人衆』と呼んでいますが、特に伊吹さんは自民党幹事長から財務大臣という、世が世なら総理大臣になるコースを歩んでいる。ところが、今の伊吹さんが総理大臣になれると思っている人は少ないでしょう。では、どうしてそのような人事が行われたのか。福田首相は、大蔵省出身の伊吹さんを財務大臣に据えることで消費税の引き上げに対して真剣であることを霞ヶ関に対してアピールする狙いがあったのではないかと思います。
不況の足音が聞こえてきたこともあり、政府も景気対策を打ち出す方針ですが、単なる業界対策、バラマキで終わるなら、株式市場への影響は軽微でしょう。むしろ、勢ぞろいした増税派の顔ぶれが株式市場にとっては重石になってくると思います」
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