五輪効果!? 今夏のハリウッド映画は“中国”ずくめ!
#海外 #映画 #中国 #北京五輪
8月8日、ついに開幕した北京オリンピック。千人単位の人々が一糸乱れずにパフォーマンスを披露する開幕式の総演出を担当したのは、中国を代表する映画監督チャン・イーモウ。近年は『英雄~HERO~』『LOVERS』『王妃の紋章』といった、独特の色彩感覚と大規模の軍勢がうごめくアクションシーンが特徴的な歴史大作を手がけ、ワイヤーアクションも多用。五輪開幕式はこれらの作品の集大成といった趣で、映画同様の圧倒的な人海戦術は、中国13億人のマンパワー恐るべし……と言ったところだった。
さて、映画興行にとってオリンピックは大敵とも言われているが、今年は『崖の上のポニョ』のヒットなどがあるためか、映画館への客足は今のところそれほど大きな影響は受けていない模様で、逆になんとかこの北京五輪にあやかろうという流れもある。
特にビジネスに敏感なハリウッドが、五輪開催や経済の急成長などで存在感を増す中国を見逃すはずはなく、この夏は中国を題材にしたハリウッド映画がズラリ。『カンフー・パンダ』(公開中)は、パンダがカンフーをするという中国の2大シンボルを合体させたアニメだし、『ドラゴン・キングダム』(公開中)は、ジャッキー・チェン(北京五輪親善大使も務めている)とジェット・リーの中国2大アクションスターが初共演したハリウッド製カンフー映画。カンフーオタクの米国人青年が古代帝国に迷い込み、そこで彼を導くカンフーマスターの役をジャッキーとジェットが演じている。
さらに、人気アドベンチャーシリーズ7年ぶりの最新作『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』(8月16日公開)も中国が舞台。ブレンダン・フレイザー扮する主人公の冒険家リックが、2000年ぶりに甦った呪われた皇帝のミイラと不死の秘宝を巡って戦う。こちらにもジェット・リーやミシェル・ヨーなど、中国の国際派スターが出演している。
ハリウッド映画以外では、『カンフー・ダンク!』(8月16日公開)なんてのも。『少林サッカー』のバスケ版といった風体の台湾映画で、主演はアジア圏で人気を誇るジェイ・チョウ。中国モノのスポーツモノということで、この時期の公開は五輪狙い?
また、『東京オンリーピック』なる一風変わった作品は、大ヒットしたCG作品「スキージャンプ・ペア」のクリエイター、真島理一郎が総監督を務め、国内外のアーティストが「スキージャンプ・ペア」に劣らぬ、おバカなスポーツ競技映像を作り出したもので、まさにここだけ“オンリー”な五輪が映画館(東京・新宿バルト9)で“開催中”だ。
一方、ちょっと真面目に北京五輪や中国の側面を知りたいなら、『鳥の巣 北京のヘルツォーク&ド・ムーロン』(公開中)をオススメ。北京五輪メインスタジアム・北京国家体育場、通称「鳥の巣」の建設過程を追ったドキュメンタリーで、設計を手がけたスイスの建築家ヘルツォーク&ド・ムーロン(ジャック・ヘルツォーク、ピエール・ド・ムーロンの2人組。東京・青山のプラダブティックなどが有名)にカメラが密着。現代中国の文化や伝統、政治体制とぶつかりながら作り上げられていく、中国史上初の五輪のシンボル「鳥の巣」。その過程を追うことで、現代の中国社会が見えてくる。
また、『いま ここにある風景』(公開中)は、カナダの写真家エドワード・バーティンスキーのドキュメンタリー。産業の発展によって変化を余儀なくされた風景を撮り続けるバーティンスキーが、かつてないほどの工業発展にわく中国各地の変化を写真に収めており、中国の発展に落ちる影を見ることができる。(eiga.com編集部・浅香義明)
作品の詳細は以下より。
『カンフー・パンダ』
『ドラゴン・キングダム』
『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』
『カンフー・ダンク!』
『東京オンリーピック』
『鳥の巣 北京のヘルツォーク&ド・ムーロン』
『いま ここにある風景』
日刊サイゾー的おすすめジャッキーはこれ。
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