“妖艶”木村佳乃も北島の快挙を祝福「超キモチよかった!」
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14日、都内で開かれた映画『ブラインドネス』(フェルナンド・メイレレス監督)の完成披露試写会に姿を現した女優・木村佳乃が妖艶発言で観衆を沸かせた。
メイレレス監督、俳優の伊勢谷友介と共に舞台挨拶に臨んだ木村は、北京オリンピックの水泳競技で2冠の快挙を達成した北島康介に話題が及ぶと、「有言実行とはまさにこのこと。私も超キモチよかったです!」と祝福。笑顔を見せた。
この日、完成披露試写会を迎えた『ブラインドネス』は、今年5月のカンヌ映画祭でオープニング作品として上映されたカナダ・ブラジル・日本合作のサスペンス映画。98年にノーベル賞を獲得したポルトガルの作家ジョゼ・サラマーゴが著した「白い闇」を原作に、突然視力を奪われたことであらわになってゆく人間の本性を、鋭く描き出した力作だ。
監督のフェルナンド・メイレレスは、処女作『シティ・オブ・ゴッド』(02年)でブラジル・スラム街の一面をソリッドに切り取り、世界中にセンセーションを巻き起こした俊英。『ナイロビの蜂』(05年)ではアフリカの悲劇的な現状のなかで引き裂かれた一組の夫婦の純なる愛を描き、主演女優レイチェル・ワイズにアカデミー主演女優賞をもたらすなど、いま世界でもっとも注目すべき映像作家のひとりである。
実話をベースに物語世界を構築した前2作とは打って変わり、「突如、多くの人間が視力を奪われた世界」という純然たるフィクション作品に挑んだメイレレス監督。原作にはない「日本人夫婦」を登場させた意図については、「これは人類の物語であるから、白人だけでなくアジア人や黒人を起用した」と語った。
劇中、最初に視力を失うことになるという重要な役柄を演じた伊勢谷友介については、その演技力、英語力を称えたうえで、「日本語のセリフは伊勢谷が書いてくれたんだ。日本語は美しく、私はこの作品を観るたびに自分がクロサワ(故・黒澤明監督)になったような気分を感じるんだよ」と最大級の評価を送った。
これには伊勢谷も「憧れのメイレレス監督と一緒に物作りができて幸せだった」と破顔一笑。また、共演のメキシコ人俳優ガエル・ガルシア・ベルナルについて「才能をひしひしと感じた。彼には『尊敬している』と伝えました」と充実した表情を見せた。
一方、伊勢谷の妻を演じた木村は主演のジュリアン・ムーアと意気投合したようで「現場では彼女と『どこの何が美味しい』とか、そんな話をしました。彼女は強くて優しい人。感銘を受けました」と語った。
そのジュリアン・ムーアが演じたのは、周囲の人々が全員失明してしまった世界の中で、唯一「目が見える人物」という難役。視力を失い、徐々にその本性を剥き出しにする人間たちに翻弄されながら力強く生きる女性を見事に演じ上げた。
また、この映画において特筆すべきは、前作、前々作から絶大な評価を受けているメイレレス監督の「色彩」と「構図」を自在に操るレイアウト力。「見える/見えない」という特殊な状況の描写において、「白」を基調にその作品世界を表現し切った演出術は現役の映画監督を見渡してみても傑出していると言えるだろう。
「これがハリウッドだったら、失明の原因を探ったりヒーローがウイルスを退治しにいったりという展開になるでしょう。この映画は、そういう映画ではありません」と、自作を解説したメイレレス監督。決して楽天的な作品ではないが、その独特の映像世界はファンにとって、まさに「超キモチいい!」映画体験になるはずだ。
■『ブラインドネス』
監督/
フェルナンド・メイレレス「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」
原作/
ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」
キャスト/
ジュリアン・ムーア「ハンニバル」
マーク・ラファロ「ゾディアック」
伊勢谷友介「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」
木村佳乃「蝉しぐれ」
ダニー・グローヴァー「リーサル・ウェポン」シリーズ
ガエル・ガルシア・ベルナル「バベル」
原題:BLINDNESS/2007年/カナダ・ブラジル・日本
配給:ギャガ・コミュニケーションズ Powered byヒューマックスシネマ
11月丸の内ピカデリー2他全国松竹系ロードショー
公式サイトURL:http://blindness.gyao.jp/
メイレレス監督、衝撃のデビュー作。
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